保育園、現況届はいつまで?保育士が教える、書き方や注意点
保育園に入ると毎年現況届というものの提出が必要になります。
子どもを保育園に入れるのが初めてのママだと「現況届ってなに?」「なんだか複雑で大変そう…」と不安になってしまうことも多いでしょう。
実際に現況届には書き方に決まりがあったり、提出期限があったりと子育てと仕事で毎日忙しいママ達にしてみればかなり面倒な手続きとも言えます。
そこで今回は保育園の現況届とは何なのか、書き方や提出期限について、さらに出し忘れてしまったらどうなるのかなどを
私が実際に保育園で勤務する中で得た経験談も交えながら紹介していきたいと思います。
保育園の現況届って何?
保育園の現況届とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、この現況届は子どもが保育園に継続して通うためには必要不可欠な超重要書類であるといえます。
認可保育園に子どもが通っている場合には基本的には1年に1度、春から夏あたりまでに園から各家庭に封筒で配布されます。
これを期日までに必ず家庭で記入し、必要書類を揃えた上で提出しなければいけません。
現況届とは、保育園や役所が各家庭の1年間の状況を正確に把握して、その家庭の子どもが保育園に通う条件を満たしているか、
さらに両親の仕事内容や勤務形態に変わりはないかなどをチェックするための資料となるものでもあります。
また両親の仕事の状況に合わせて家庭の収入状態もチェックされ、
保育料の算定にも関わってくる書類となりますので、細かい部分まできちんと記入しておくことが求められます。
ママの中には知恵を働かせて「本当は昇給しているけれど、現況届には従来の収入状況を記入すれば、保育料はそのままかも?」
という考えをもつ方もいるかもしれませんが、現況届の提出時には現況届と一緒に就業証明や給与証明なども提出が義務付けられているために
そのような不正はできないようにしっかりと管理されていますので、ありのままの状況を正直に書くことが大切です。
基本的には子ども1人に対して1セットの書類の提出となるので、兄弟で通園している場合などには
子どもの名前ごとに同じ書類を2セット配布されることがありますが、もちろんどちらも
同じ様に記入してもらうのが原則となっているので、面倒な部分もありますが子どもの継続通園のためにも丁寧に記入するようにしましょう。
さらに現況届を通してひとり親家庭や保育にまつわる補助金の有無も判定されますので、
条件に該当している家庭でなおかつ補助金をしっかりと受け取りたいと思っているママは自分が補助金や支援を受けられる条件や対象に
当てはまっているのかをしっかりと事前に確認した上で計画的に必要書類などを用意しておく必要があります。
現況届の提出に必要なものや書き方についての注意点はある?
ここでは現況届の提出に必要なもの、書き方における注意点などを分けて説明していきます。
・就業証明もしくは復職証明を早めに用意しておく
先にも少し述べましたが、現況届を記入する場合には両親それぞれの会社の情報や収入の状況なども割と細かく記入する欄があります。
さらに事実確認のために役所は現況届と一緒に勤務先の会社から発行される就業証明の提出を義務付けているところがほとんどです。
年度替わりで進級し、子どもが継続通園する場合には就業証明ですが、
保活をして新たに0歳児クラスに子どもの入園が決まった場合には産休育休を取得しているママの場合には就業証明の代わりに復職証明が必要となります。
出産を機に転職した場合には継続利用の場合と同じく雇用証明や勤務証明の提出で大丈夫ですが、
いずれにせよどの証明書も両親が勤務する会社で発行してもらわなければいけないため、必要な時に言えば即日発効してくれるというものでもありません。
もちろんギリギリになっても事情を話して急いで発行をお願いすればその日に証明書がもらえるかもしれませんが、それでは勤務先や各部署の方に
迷惑になってしまうこともありますので、ママが保活を始めるタイミングや「うちの子が毎年通っている保育園ではこの時期に現況届が配布されるな」
というタイミングに合わせて早めに勤務先に連絡をして、必要な証明書の種類や枚数を伝えておくことをオススメします。
但し「毎年もらうのは面倒だから、まとめて何枚か発行してもらっておいたのを毎年1枚ずつ提出しよう」というのは通用しないので要注意です。
提出可能な証明書は原則としてその年度内に発行された日付のもののみですので、手間にはなりますが毎年必要な分だけを勤務先に請求して発行してもらうことになります。
・必ずその年度のフォーマットに合わせて記入する
現況届は毎年同じような記入内容の書類が配布されますが、年度によって用紙の枠組みの色が違ったり、
しっかりと用紙の上部に年度が印字されていたり年度ごとに多少フォーマットが変わります。
もちろん両親の家庭の状況や子どもの年齢、さらにはもしかしたら転職などをして勤務状況も変わっているかもしれませんので、
現況届の名前の通り、今の状態、現在の家庭や仕事の状況をとにかく細かく指定された内容に沿って埋めていくことが何より大切です。
基本的な記入内容としては、毎年変わらないのは「子どもの名前や生年月日などの基本情報」「両親の名前、生年月日、緊急連絡先」などが挙げられます。
他には「両親それぞれの勤務先の名称や連絡先、部署名や収入状況、雇用形態」「居住地」なども詳細に記入時の最新の情報を記入します。
ここに記入された情報を元に、役所は子どもの氏名や居住地が戸籍に登録されているものと同様であるかや、
家庭での保育にかけており保育園に通う必要があるかどうか、さらに両親の自宅からそれぞれの勤務先までの
距離や通勤時間を考慮して1日の保育時間はどのくらいに設定すれば良いかを毎年見直され、その年度の保育内容が決定されることになります。
事実と違う内容を記入したり、記入漏れがあるとすぐに指摘され、詳細の確認や大幅な訂正が必要な場合には役所に出向かなくてはいけなくなりますので、
くれぐれも間違いや記入漏れのないように注意しながら書き進めるようにすることが現況届をスムーズに終わらせるポイントです。
・兄弟で通園している場合は提出書類の必要数を確認しておく
先にも述べましたが、兄弟で保育園に通っている場合には登園先が同じ園でも別々の園でも関係なく、保育園に在籍している子どもの人数分の現況届が配布されます。
現況届自体は子ども事にそれぞれ記入し提出しなければいけませんが、自治体によっては
親の就業証明などの証明書関連は兄弟分用意しなくても世帯ごとに1部ずつ提出すれば良いというところも実際にあります。
職場に何度も連絡したり、追加で証明書を発行してもらうのもママにとっては大変でしょうから、
証明書関連は1枚で兄弟分すべてまとめて見てくれるのか、それとも現況届の数だけ必要なのかは
現況届が配られた時に保育園や自治体に確認しておくことが望ましいです。
現況届はいつまでに出せばいいの?
現況届けの提出方法としては、保育園が配布時に提示した期限内であれば保育園の事務所や
担任保育士で手渡しで提出することで保育園がまとめて役所に提出しておいてくれます。
私が勤務していた横浜エリアの保育園では配布日から2週間後が提出〆切と結構タイトな
スケジュールで設定されていましたが、ほぼすべての家庭が期限内にしっかりと提出をしてくれていて保育園としても非常に助かっていました。
ちなみに横浜エリアの保育園では毎年ゴールデンウィーク開けの5月半ばに現況届の入った封筒が各家庭に配布され、5月末までが提出期限となっていました。
他のエリアや園でも多少の差はありますが、どこも配布後2週間から1か月以内には書類を書き上げて、必要書類を同封した上で提出することが求められているようです。
保活をしているママ達は10月くらいから園見学が始まり、そのタイミングで必要書類を揃えるようですので、
保育園の継続利用のための現況届であるのか、新規入園のための現況届なのかによっても配布時期や提出期限は異なりますが、
自治体や役所のホームページで記載されているところも増えてきていますので、不安であれば調べてみると良いでしょう。
もし出し忘れてしまったら大変?どうなるの?
子どもの保育園生活も長くなり、ママも記入や資料集めに慣れてきていればそこまで手間がかからずに書き上げられますが、
記入が初めてであったり証明書集めに時間がかかってしまうとどうしても期限ギリギリになってしまったり、
つい忙しくてふと気づいたら提出期限を過ぎていた…ということもあったりするかと思います。
もちろん大切な書類なので、期限内に決められた方法で提出することが何よりなのですが、もし期限に間に合わず出し忘れてしまった場合にはどうすれば良いのでしょうか。
私が勤務していた横浜エリアの保育園では、保育園が定める期限を過ぎてしまった場合は保育園の事務所に提出することはもうできませんが、
ママが独自でその保育園を管轄している役所の児童福祉窓口や保育課窓口など所定の場所に直接出しに行けば受け取ってもらえるということでそう案内していました。
事前に証明書の発行が間に合わず直接役所に出しに行く旨を伝えてくれるママもいますし、
「保育園に出すのが間に合わなくても役所に出せばいいんだ」と安心してかなりゆっくり提出するママも実際にいました。
しかし「自分で役所に直接行くから遅く出してもOK」というわけではなく、保育園の期限を過ぎた後3日〜1週間くらいの猶予が与えられるだけですので、その点は注意が必要です。
ただ現在在籍している保育園に継続して通園したい場合の現況届の提出は多少遅れても書類不備ということで多めに見てもらえることが多いらしいです。
しかし新規入園を目指して保活をしている家庭の現況届の提出が遅れてしまうと色々なリスクが発生します。
例えば新規入園で書類の機嫌が間に合わなかったり、出し忘れて気付かないでいると、他の家庭との兼ね合いもありますし、
何より役所はその現況届を頼りに保育の有無や保育時間を算定するため、その書類を出してこないということは
保育園に入園させたいという意志が薄いと受け止められて審査に不利になったり、1次で申し込んでいても2次募集に回されてしまうこともあるようです。
ですのでもし「期限に間に合わない…」「日付を勘違いしていて出し忘れてしまっていた…」
というような場合にはとにかくすぐに保育園と役所に連絡を入れて今後の対応を相談するようにしましょう。
保育園の現況届は子どもの保育園生活に必要不可欠!
保育園において現況届は子どもが保育園に通う条件を満たしているか、これからも保育園に在籍できるかを判断するとても大切な書類です。
役所も現況届を軸に子どもを取り巻く家庭環境や両親の就業状況を把握していくため、提出が無かったり提出が遅れていると適正な判断ができず困ります。
出し忘れてしまったらすぐに保育園に通えなくなることや退園になるということはありませんが、新規入園希望の場合には提出の遅れが命取りになることも十分に考えられますので、
現況届が配布されたらまずは期限を確認して、証明書関連など必要書類は早めに入手しておくことを心がけましょう。