保育園で勉強はする?しない?園によって全然違う?経験談

保育園で勉強はする?しない?園によって全然違う?経験談

子どもが通う保育園を探しているママ達や、実際に子どもが保育園に通っているママ達にとって、

 

 

具体的に子どもがどう1日を過ごしているのかについては分からないことも多いですよね。

 

 

ママの中には「遊びや食事、睡眠等の他にお勉強の時間とかってあるの?」

 

 

「幼稚園では年長になるにつれて少しずつ文字や数字に親しむような

 

 

お勉強の時間もあるけれど、保育園ではどうなの?」と疑問に思う方もいるかと思います。

 

 

そこで今回は保育園で勉強はするのか、しないのか、そして保育園の生活の中で勉強は必要なのかどうかについて、

 

 

実際に私が保育士として勤務していた際の経験談も交えながら紹介していきたいと思います。

 

保育園での勉強の位置づけとは?

 

まず大前提として保育園は幼稚園と違って学校関連施設ではありません。

 

 

幼稚園や小中学校、高校は文部科学省が管轄している学校関連施設ですが、

 

 

保育園に関しては厚生労働省が管轄をしている福祉施設の一環となります。

 

 

つまり保育園では共働き家庭や様々家庭の都合によって「家庭での保育に欠ける子」

 

 

を優先的にお預かりし、場所は保育園といえども家庭にいるのと同じような生活を保障するために

 

 

日々保育士や看護師たちが保育を行なっています。

 

 

ですので幼稚園や小学校のように文字の読み書きや簡単な数字や計算を教えるというようないわゆる

 

 

「学校での勉強」とされる内容は強く取り入れていない保育園が多いです。

 

 

もちろん保育園ではこういった「学校で習うべき勉強内容」や

 

 

「宿題があったり、成績が出たりするような勉強内容」をしないというだけで、

 

 

0歳児から6歳児までが過ごす保育園だからこそ子どもが学ぶことができることとしては

 

 

人間関係の築き方や他児への思いやり、さらに大人との信頼関係や愛着の結び方や

 

 

集団行動への適応の仕方というような社会性にまつわる内容が多く挙げられます。

 

 

以上の点から保育園での勉強というのはいわゆる授業を受けてなにか課題をこなすものというよりも、

 

 

もっと人間としての基盤を作るような社会に出るための第1歩としてのスキルや能力を

 

 

身に付けるという位置づけであるといえるでしょう。

 

 

確かに保育園の方針や園長、担任保育士の価値観などで年長クラスになると

 

 

簡単なひらがなの読み書きや数字について興味をもち、学べる時間を独自に作っている保育園もあります。

 

 

ただ保育園を運営するにあたっての規則にはこのような勉学に関する規定や

 

 

保育園生活で必ずやらなければいけないことの内容の中には含まれていませんので、

 

 

原則としていわゆる大人が考えるような

 

 

「机に向かって一定時間先生の話を聞いて、お勉強をする」

 

 

「課題が与えられてその問題を解く」というような位置づけとしての

 

 

勉強は原則としてないと思ってもらえると良いでしょう。

 

 

保育園で勉強はする?しない?する時の内容や方法は?

 

私が過去に勤めていた横浜エリアと東京エリアの保育園では大小と規模は様々でしたが、

 

 

どこも勉強らしい勉強は取り入れておらず、あくまでも家庭と同じ様なアットホームな

 

 

雰囲気で遊びや食事を楽しむという方針で保育をしていました。

 

 

横浜エリアの保育園では年長クラスでは興味を持っていた子に対してはひらがなや数字、

 

 

アルファベットが学べるようにあいうえお表などの一覧表を保育室内の子ども目線の

 

 

位置に張り付けたり、子どもが望んだ場合には保育士がついて

 

 

紙とペンを用意して書き方などを練習する子もいましたが、

 

 

あくまで自由遊びの時間に子ども一人ひとりの興味や遊びの内容に沿って無理なく

 

 

実施しているような形で、クラスで一斉に一定時間勉強の時間をとるということはしていませんでした。

 

 

また東京都内の園ではどちらも幼児クラスを対象に毎月第3水曜日はリトミック、

 

 

第2火曜日は体操教室というように専門講師の先生を外部から招いて簡単なリズム遊びや

 

 

運動遊びをする時間を設けているところもありました。

 

 

こちらも基本的には「遊び」であり、一応クラス全員で参加はするもののやりたくない子は

 

 

座ってみていても良いし、その場にいるクラス全員が同じ熱量で盛り上がったり、

 

 

同じ段階のスキルを身に付けたりすることは目標とはしていませんでした。

 

 

しかし最近では保育園によっては「お勉強をすること」を保護者向けにアピールし、

 

 

その保育園の方針として売りの部分にしているところも実際にはあるようで、

 

 

そういうところだと本格的にひらがなを学ぶ時間、数字を学ぶ時間、最近ではネイティブ講師による

 

 

英会話の時間などが曜日ごとに決められていて、そこで子どもたちに一定の習熟と

 

 

成長を求めるような保育内容を設定しているという話も聞きます。

 

 

どちらが良いかはママ達の子どもや保育園にどこまで求めているかや価値観などでも

 

 

色々な意見があるかとは思いますが、基本的には勉強をするのであっても子どもの

 

 

興味やレベルに沿った内容のものを子どもの年齢や発達に適した時間や学び方で個々に

 

 

進めていく保育をしている園や子どもに強制して勉強をさせることはしない

 

 

保育園がほとんどであるのが現状です。

保育園で勉強をする園のメリット

 

ここでは保育時間を使って勉強をする園のメリットについて紹介します。

 

 

1.保護者の印象が良くなる

 

ママ達の中には「幼稚園の子たちはしっかりお勉強をしてから小学校に上がるのに、

 

 

保育園で何もしないと能力に差が出てしまいそうで不安…」

 

 

「家庭ではなかなかしっかり教えらえないから保育園でやってほしい…」

 

 

というような意見や思いを持っている方も実際にいらっしゃいます。

 

 

そこで保育園であらかじめ「お勉強としてはこういうことをしています」

 

 

「年長クラスでは小学校就学に向けて色々と準備をしていきます」

 

 

とはっきりアピールしてくれていると「保育園でも子どもに教えるべきことは勉強としてでも教えて欲しい」

 

 

と思っているママにとってはかなりの安心材料になり、印象が良くなりますよね。

 

 

また保育園選びで悩んでいるママ達にとっても1つの決定材料にもなるかと思います。

 

 

2.習い事を省ける

 

「子どものうちから何か習い事をさせてあげたいけれど、

 

 

いくつもやるのは月謝の問題で厳しい…」

 

 

「子どもは保育園で、両親は仕事で夕方以降は疲れてしまって

 

 

とてもじゃないけれど習い事に行ける気力が残っていない…」

 

 

というような家庭も珍しくありません。

 

 

しかし保育園である程度文字の読み書きや英会話、時にはリトミックや体操教室などが

 

 

項目ごとに毎月のプログラムとして設定され、保育園内で実施されているものに子どもが

 

 

参加しているのであれば、似たような内容の習い事を敢えてする必要もなくなります。

 

 

子どもも習い事をいくつも新しく初めて新しい環境や保育園以外の人間関係などが

 

 

増えると心身ともに疲れてしまい、ストレスも溜まってしまいがちですが、

 

 

保育園でいつも一緒のお友だちと、保育士と一緒にプログラムに取り組めることで

 

 

負担も少なくスムーズに色々なことが学べることも期待できるでしょう。

 

 

3.早くから子どもの得意なことや興味のあることが分かる

 

保育園で様々な内容を「お勉強」として取り組むことで、自分の子どもは何が得意で、

 

 

何に興味があるのかを保育士づてにママ達も早い段階から知ることができるようになります。

 

 

例えば「運動は苦手だけれど文字の読み書きは得意そう」とか

 

 

「音楽に対する興味やリズム感が良く、英語の発音も上手だから耳が良いのではないか」

 

 

といった子どもの生まれつきの特性が把握しやすくなるといえます。

 

 

保育園での生活や勉強を通して子どもに適しているもの、環境を整えれば能力として

 

 

伸びそうなものが分かることで、家庭でも習い事としてさらに好きな分野を深めさせて

 

 

あげることができたり、親子のコミュニケーションの充実化ができたりと良いこと尽くしです。

 

 

勉強しない園のメリット

 

次に勉強をしない園のメリットについて紹介します。

 

 

1.家と同じようにゆったりと過ごせる

 

勉強として一定時間学校のように机に座って課題に取り組むというような

 

 

スタイルをとらないことで、家庭と同じ様に保育士に見守られながら遊びを

 

 

とことんやりこんだり、友だち同士のコミュニケーションを楽しんだりすることができます。

 

 

もちろん勉強をしている園がこのような時間を一切設けていないというわけではありませんが、

 

 

どの時間も比較的子どもがのびのびと自由に過ごし、好きなことをして遊べること、

 

 

そして勉強はしたい子だけがしたい時にすることで自分自身で考えて、

 

 

やりたいことを選択できることが生活として保障されているという点で、

 

 

この点は勉強を取り入れていない園の最大のメリットであるといえます。

 

 

2.今しかできない遊びや友達同士とのやりとりを十分に経験できる

 

勉強はその内容こそ小中高で違ってきますが、やろうと思えばこれから

 

 

大人になるまでずっとできることだと思います。

 

 

しかし保育園児は0歳から6歳までの乳幼児期の多くの時間を家庭ではなく

 

 

保育園で保育士やお友だちと共に過ごすことから、今この環境でしかできない、

 

 

また家庭ではなく保育園でしたできない経験がたくさんあるのです。

 

 

例えば異年齢の友だちと関わり、やりとりをするなかで思いやりや社交性を

 

 

少しずつ身に付けること、おもちゃの取り合いなどで思いっきり喧嘩をしたあとに

 

 

「ごめんね」と謝って仲直りすること、園庭で泥や水を使ってたくさん汚れて遊ぶこと、

 

 

自分の思い通りに物事が進まなくてモヤモヤしてすっきりするまで大泣きすることなど、

 

 

感情や身体を常に大きく動かし表現して相手や自分自身と向き合うことは大人になるに

 

 

つれてはそこまで自由にはどんどんできなくなってきますよね。

 

 

このような勉強では学べないこと、知りえない経験を純粋で何もかも吸収して力に

 

 

できる乳幼児期にこそしっかりと経験しておくことで、子どものその後の成長の糧になったり、

 

 

人生の豊かさにつながっていくことが期待できます。

 

 

3.お勉強ができないことで辛くならない

 

保育園で勉強を取り入れても、子どもたちの中には

 

 

「イスに座って長時間じっとして1つのことに集中するということがまだ苦手な子」もいれば、

 

 

「他の子ができることが自分はまだうまくできなくて、比べてしまって悲しくなってしまう子」もいます。

 

 

同じ年齢のクラスに在籍しているといっても、まだまだ月齢によって発達に差がある段階なので、

 

 

クラス内で良かれと思ってしたお勉強が原因で保育園に来ることが辛くなってしまったり、

 

 

勉強の時間がイヤになってしまったりする子が

 

 

出てくるというリスクがありますが、勉強をしなければ子どもたちは自分の個性を

 

 

大事にしてのびのびと過ごすことができ、不安がなくなるといえます。

 

 

保育園での子どもの勉強エピソード

 

ここでは実際に私が経験した保育園での子どもたちのお勉強にまつわるエピソードを2つ紹介していきます。

 

 

・自分で文字に興味を持ち学び始めた4歳女児

 

私の保育園ではお勉強をしっかりと取り入れてはいなかったものの、

 

 

子どもが興味を持った時には好きに学べるようにひらがな絵本や

 

 

アルファベットのパズルなどは室内に用意してありました。

 

 

これらで遊んでいるうちにこの子は文字に興味を持ち始め、

 

 

家庭でも教育テレビの英語の番組や歌の番組をよく見て聞いているという話を

 

 

ママからも聞いていたので、ママがお迎えに来るまでの夕方の少しの時間で

 

 

その子と一緒にひらがなで自分の名前を練習したり、

 

 

簡単な読みや書き方を教えたりする時間を個別に作るようにしました。

 

 

それがその子にとっては楽しかったようで、家でも自分から紙とペンを

 

 

出して文字を書くようになり、自分の名前に入っているひらがなは見つけると

 

 

読めるようになっていました。

 

 

その子は両親の仕事の都合で途中で転園してしまったのですが、

 

 

最終登園日の日に覚えたばかりのひらがなで先生たちの名前と、

 

 

ありがとうの文字を書いた手紙をくれてとても嬉しかったのを覚えています。

 

 

・好きな物図鑑を作り始めた5歳男児

 

この子は元々動物や乗り物が好きで、クラス内にある図鑑をよく見ている子でした。

 

 

家庭でも休みの日には新幹線やバスを見に行ったり、動物園にこまめに行ったりしているようでした。

 

 

その子がある日自分のスケッチブックを用意して、ハサミとノリ、ペンを持ってきて

 

 

長時間ずっと机に向かって作業をしていたので、何をしているのかなと思い聞いてみると

 

 

「自分で図鑑を作るんだ!」と言って図鑑とにらめっこしながら時折保育士に

 

 

「これはなんて書いてあるの?」「これはなんていう名前?」と分からない文章や

 

 

文字について質問しながら、自分なりの文字や絵でスケッチブックを埋めて、

 

 

「これを見ればなんでも載っている特別図鑑」を完成させていました。

 

 

図鑑の内容をたくさん保育士に聞いてやりとりをしたことで、いつの間にか

 

 

ひらがなも読めるようになってきて、乗り物や生き物の複雑な名前や難しい特徴も

 

 

すべて覚えることができていました。

 

 

これら2つのエピソードから分かるように、特別に勉強として一斉に教えていかなくても、

 

 

子どもたちは興味をもてばそれをとことん深めて、積極的に自ら学ぼうと意欲をもって

 

 

取り組むことができるということが分かります。

 

 

子どもの興味や発達に合わせて無理ない範囲で進めて

 

保育園児は原則としてお勉強を取り入れていませんが、子どもの興味に応じて

 

 

個別に時間を作ったり、子どもの発達に合わせた内容で遊びとして取り組めるような

 

 

内容で計画をしたりすることはしています。

 

 

保育園の方針によっては高度で定期的な勉強を実施していることがアピールポイントに

 

 

なっているところも確かにありますが、そのようなお勉強を主体にしている

 

 

保育園はまだまだ少ないのが現状です。

 

 

もし本当に詳しく内容を知りたい場合には、説明会の際などに園長や主任保育士に

 

 

内容を聞いてみても良いかもしれません。

 

 

基本的には子どもの思いや育ちを第1に考えて、お勉強の重要度を判断するようにしてくださいね。