保育園で母の日、父の日は何をする?しない園もある?保育士の経験談

保育園で母の日、父の日は何をする?しない園もある?保育士の経験談

保育園の母の日、父の日の位置づけって?

 

保育園は小さなお子さんをお預かりする施設であり、家族とのかかわりも密であるため、母の日や父の日などの家族行事ももちろん大切にしています。

 

 

しかし節分やひなまつりといった日本古来の行事や、運動会や発表会といった大規模な行事に比べると、さらに小さいイベントの枠になっているのも現状です。

 

 

私が勤めていた保育園では園の方針としてそこまで母の日と父の日をアピールしなくても良いというところだったので、大きな集まりなども一切なく、

 

 

クラス担任ごとに行事として母の日などを取り上げるかどうかも、取り上げるのであればやることも、やる内容も自由に決めて良いというような形でした。

 

 

ですので子どもたちに「今日が母の日もしくは父の日である」ということ「今日は家に帰ったらママやパパにありがとうって伝えようね」というような声かけは

 

 

するようにしていましたが、あまり大々的に説明をしたり、クラス全員でなにかをするというようなことはしていませんでした。

 

 

あくまで子どもたちの思いを優先し、「ママやパパにプレゼントを作りたい!」「絵を描いて渡したい!」というようなリクエストがある子のみ自由あそびの時間に

 

 

作業ができるように準備をし、やりたい子がやるというような流れが毎年多いです。

 

 

私が勤務していた3つの園ではどこも何もしないに近い程度の位置づけでしたが、母の日や父の日の実施や行事としての力の入れ方に関しては保育園の方針もありますし、

 

 

担任保育士の価値観に一任されている部分も大きいので、子どもが通っている保育園ではどうなのか、気になるようであればママ友や担任保育士に聞いてみることをオススメします。

 

 

保育園で母の日、父の日は何をする?

 

保育園で母の日や父の日に向けて子どもたちが何かをする方針の園では、当日にサプライズで家族にプレゼントできるように保育園で様々な作り物をしています。

 

 

当日の流れとしてが、朝の会や集まりのタイミングで担任保育士が「今日は母の日もしくは父の日である」ことを子どもたちに伝え、

 

 

それがどういう意味なのか、子どもたちはママやパパに何をすれば良い日なのかを分かりやすく説明していきます。

 

 

場合によっては母の日、父の日にまつわる絵本や紙芝居を呼んで、子どもたちの関心をより高めることもあります。

 

 

こうして保育士が子どもたちに話をした後に、ママやパパに秘密で渡すプレゼントの用意に取り掛かることが一般的といえます。

 

 

ここでは私が実際に経験した子どもたちが作るプレゼントや、イベントとして実施したことを3つに分けて説明していきます。

 

 

手型や足型を活用した作り物

 

これは乳児クラスで圧倒的に多いプレゼントです。

 

 

乳児さんは自分でできることは少ないものの、手型や足型は毎年大きさも変わり、数年分並べて見ると子どもの成長がとてもよく分かるので制作に取り入れることが多いです。

 

 

画用紙に絵の具やスタンプインクで子どもの手型や足型をとり、残りのデザインや装飾は担任保育士が仕上げていきます。

 

 

子どもの小さな手足のかわいさが引き立っていて、日付入りでプレゼントとして渡すことが多いです。

 

 

まだ行事の意味をあまり理解していなかったり、言葉もたどたどしいですが、ママやパパが喜んでくれる姿をみて子どもも自然と笑顔になっています。

 

 

折り紙や画用紙で花束を作り、お手紙を添える

 

これは主に幼児クラスで作るとママやパパも非常に喜んでくれるプレゼントです。

 

 

幼児さんともなればハサミやノリも器用に使える上に、母の日や父の日の行事の意味をちゃんと理解してプレゼントを用意することができるようになります。

 

 

そこで折り紙で花を何個も折って花束にしたり、画用紙に両親の似顔絵やメッセージを集中して書いている姿がよく見られます。

 

 

「これ渡したらママ(パパ)驚くかな?」と渡すときのことを想像して笑顔でプレゼントを用意している子どもの顔はとても輝いていて、

 

 

保護者の方にも見てもらいたいくらいです。

 

 

お迎えの時間にプレゼントをサプライズで渡す予行練習をしてお迎えに備える

 

子どもの中にはいくら「サプライズだから当日までママとパパには秘密だよ」と伝えていても、つい保育園であったことや担任保育士から聞いた新しい情報を

 

 

悪気なくいつも通り家庭でお話ししてしまう子もいますが、子どもたちはそれでも一生懸命当日ママとパパを驚かせるために準備をしています。

 

 

実際に保育園では当日にプレゼントを仕上げたら、チラシやカラーペーパーを見つけて綺麗に包み、リボンをつけてよりプレゼントっぽくしてみたり、

 

 

お迎え時間にカーテンの影に隠れてお迎えが来たらそこから飛び出してきて渡そうと何度も練習していたりする子どもたちの可愛らしく健気な姿があります。

 

 

このような子どもたちの準備段階の姿も保護者の方にはなるべく写真や口頭で伝えるようにしています。

 

 

先に述べたように万が一子どもから悪気のないサプライズのネタバレがあったとしても、当日は思い切り驚いて、

 

 

喜んで、プレゼントと感謝の気持ちを受け取ってあげて欲しいと思います。

何もしない園もあるの?

 

保育園によっては母の日や父の日は意識していないわけではないけれど、敢えて何もしないという方針をとっている園もあります。

 

 

保護者の方からしてみれば、「どうして何もしないの?」「子どもたちに母の日、父の日について教えて欲しいのに…」という意見もあるかと思います。

 

 

ここでは保育園で何もしないという方針に至るまでの経緯や何もしない理由を3つ挙げて説明していきます。

 

 

ひとり親家庭に対して配慮するため

 

保育園には様々な家庭の事情をもつ子どもが在園しています。

 

 

ひとり親家庭の方もいますし、事情があって両親が別居していたり、再婚していたりという家庭の方ももちろんいます。

 

 

保育士だからといって深入りして詳細を知るような立場ではないのですが、配慮すべき項目としては入園前の面談などで個別に確認するようにしていますので、

 

 

このような家庭事情の多様化という背景からも「子どもたち全員にママとパパが当たり前にいるわけではない」という認識を強く持って保育を進めるようになってきています。

 

 

配慮をせずに大掛かりに母の日や父の日の行事をクラスにおいて進めてしまうと

 

 

「どうして〇〇ちゃんはママ(パパ)がいないの?」「ママ(パパ)いないのに作っているの?」と

 

 

子ども同士の純粋だからこそ突き刺さるやりとりが発生してしまう可能性が多いにあります。

 

 

それでもどうしてもクラスで母の日や父の日を実施する場合には、ママやパパを強調せずに

 

 

「いつも頑張ってくれている家族全員に向けて」や「おじいちゃん、おばあちゃんに向けて」と

 

 

いうように感謝を伝える対象の幅を広げて子どもたちに伝えるように工夫しています。

 

 

園行事に組み込まれていないため

 

保育園では年間行事として毎月の季節の行事や運動会などの大きな行事を全て年度初めに予定表に組み込んで保育の計画を練っています。

 

 

ですのであらかじめ母の日、父の日が園の行事として入れられていない場合には実施されないことが多いです。

 

 

これは保育園側の都合とも言えるのですが、行事が多すぎるとその準備や当日の流れを作るために子どもたちに働きかけをすることに時間を消費してしまいがちになってしまい、

 

 

何もない普段の保育の計画や年間のクラス目標の達成に注ぐべき力が減ってしまうリスクにつながるため、

 

 

家庭内でできるイベントは家庭および家族だけで楽しんで欲しいというような保育園側の方針も関係しているところが大きいといえます。

 

 

担任保育士がクラスごとに独自でやっており統一性がないため

 

これは保育園としては「母(父)の日は特別何かをすると定めているわけではない」けれど、

 

 

「各クラスの担任保育士の価値観や思いによってはクラスごとに実施します」というような場合です。

 

 

園としての大まかな方針はあるけれど、細かい部分はクラス担任に任せているという方針の園長がいる場合には

 

 

様々な家庭への配慮を徹底した上で担任保育士が「何かしたい」と思えば実施されます。

 

 

なので実際に保育園に通いだすと「年間行事には書いてなかったけど、母(父)の日も保育園でしてくれるんだ」と驚かれるママもいるかもしれません。

 

 

父の日、母の日について家庭から要望があるときはどうすれば良い?

 

家庭の方針やママの価値観によっては、「保育園でも母(父)の日をするべき」「うちはシングルだから子どもが混乱してしまうことはしてほしくない」

 

 

というような色々な思いがあるかと思います。

 

 

そのような要望がある場合には入園前、もしくは年間行事が出た際に担任保育士や園長に個別に相談することをオススメします。

 

 

入園当初は家庭の事情をそこまで深く知り得ていなかったり、保護者の方とも信頼関係が築けていなかったりすることもあり、このような要望を聞き取れていないこともあります。

 

 

もちろん丁寧に話は聞き、出来る限りの配慮はするように心がけますが、それでもすべての希望に沿うことは難しかったり、

 

 

園としての方針に反するようなことはできずお断りすることもあるかもしれませんが、まずは話し合いが大切ですので、気負わずに何でも話してもらえたらと思います。

 

 

内容によっては言いづらいこと、知られたくないこともそれぞれの家庭にあるのは当然です。

 

 

子どものことを最優先に考えてもらってどのような対応をするのが最も適切なのかを保育園と家庭とで連携して考えていく姿勢を

 

 

取ってもらえると保育士目線からもとてもありがたいです。

 

 

保育園における母の日、父の日はあまり大掛かりにしないのが主流

 

 

近年では子育て家庭の多様化や様々な家庭の事情から保育園において「母や父」を強調するような行事は大掛かりにすることを控える園が多いです。

 

 

だからといって全く何もしないというわけではなく、子どもたちは当日はクラスでママやパパに渡すプレゼントを心を込めて作っています。

 

 

子どもたちは自慢の手作りプレゼントを渡した時のママやパパの反応を見るのを一日中すごく楽しみにしています。

 

 

ぜひお迎えの際には大げさすぎるくらいのリアクションをとってあげてくださいね。