慣らし保育は必要性やメリットは?保育園での経験談
子どもが保育園に入園すると、慣らし保育が始まりますが保育園デビューのママの中には「慣らし保育ってなに?」「それって必要なの?」と
慣らし保育自体がよく分からずに混乱してしまう方もいるかもしれません。
そこで今回は保育園における入園児の慣らし保育の必要性やメリットについて、実際に保育園で働いていた時の経験談も交えながら紹介していきたいと思います。
慣らし保育はなぜ必要なの?
慣らし保育とは主にその年度に保育園に新規入園した0歳児クラスの子どもたちを対象に行われるものです。
慣らし保育の期間や方針、実施の手順などは保育園によって様々なルールや段階がありますので、
よく分からず不安な場合や疑問点がある場合にはその都度担任保育士や園長に確認しておくことが望ましいです。
では、なぜ慣らし保育が必要なのか?理由を3つ挙げて述べていきます。
・子どもの生活リズムの安定を図るため
子どもにとって生活環境やリズムの変化や安心できる家庭や家族と離れて過ごすことは大人の予想以上に心身ともに負担がかかり、ストレスとなってしまいます。
人見知りや場所見知りをしてしまうタイプの子どもであればなおさら疲れ切ってしまい、ひどい場合には体調不良につながるリスクもあります。
そこで慣らし保育を活用することでまずは午前中だけ、様子をみてお昼過ぎまで、慣れてきたら夕方までと少しずつ保育時間を伸ばして徐々に慣らしていくことが大切なのです。
子どもの適応能力もすごいもので、毎日少しずつ保育士やお友だちと過ごすことでどんどん保育園に馴染んできて食事や睡眠も十分にとれるようになってきます。
いきなり大きく環境を変えて子どもに負担をかけるよりも、保育園の生活リズムを無理なく自然に子どもの中に落とし込んでいくためにも慣らし保育は必要であると考えられます。
・保育事故を防ぐため
保育園では発達も月齢も性格も様々な子どもたちを集団の中で預かりますので、子どもたちの体調面で気を付けるべきことや子ども一人ひとりの性格や注意事項などの情報は
担任同士で細かく把握して共有するようにしています。
特に0歳児をはじめとする乳児クラスの慣らし保育は、保育士は子ども一人ひとりの発達を実際に目で見て、手で触れて確認し、
保護者の方とも家での過ごし方や既往歴など気になる点について丁寧にやりとりをする大切な期間と捉えている部分もあります。
最近では特に食物アレルギーや持病など保育園で生活する上で徹底した配慮と対応をする必要のある項目に関しては保護者との連絡を密にし、
慣らし保育で保護者にも保育士にも比較的ゆとりがあるタイミングでしっかりと聞き取りをして間違った対応や保育中の事故がないように努めています。
このように慣らし保育は保護者と保育士の子どもの情報の丁寧なやりとりの機会なっていることもあり、大人の立場からしても実施する必要があるものだといえます。
・慣らし保育を活用することで仕事復帰の準備ができるため
慣らし保育では子どもが保育園に入り、ママが産休で時間にゆとりがあるうちに午前中や半日など短い時間だけ子どもを預けることができます。
「子どもの保育園での様子も気になるし、なるべく家庭でみたいけれど仕事復帰に向けての手続きや準備もしないといけない」というママにこそ、慣らし保育は必要です。
日中の数時間だけでも保育園に子どもを預けられれば、復帰に必要なものの買い出しや役所や銀行での手続き、健康診断なども予定を詰めて集中して済ませることができます。
子どもがいるとどうしても集中してできないことや、後回しにしてしまいがちだけれど、ママのためにもやらなければいけないことは意外と多いものです。
ぜひ慣らし保育の必要性に親目線からも気づいて、有効活用してみてください。
慣らし保育のメリットについて
慣らし保育の必要性については先に述べましたが、それ以外にも慣らし保育をすることのメリットや慣らし保育ならではの魅力はたくさんあります。
ここでは慣らし保育の主なメリットについて3つ紹介していきます。
・子どもにとって保育園が安心できるところになるのが早い
慣らし保育中は保育時間が短いということもありますが、場合によってははじめの数日間はママも一緒に保育園で子どもと保育士と一緒に過ごすこともできるのが特徴です。
子どももいきなり家族と分離して不安定になることなく、保育園でママとも一緒に遊び、
保育士とママが楽しそうに話している様子をみている内にどんどん保育園に対して安心感が生まれてきます。
子どもも保育園に対する一定の安心感が生まれれば、保育園への慣れも早まり、友だちや保育士への信頼感も築かれやすくなることが見込めます。
結果として子どもが「保育園は楽しいところ」「保育園は安心して過ごせるところ」という認識を早期から持てるようになり、
慣らし保育を経た子どもの方が保育園を第二の家のように慕う姿が順調にみられるようになります。
・親の不安も解消できる
初めての保育園での生活は子どもだけでなく保護者の方もかなり不安や緊張が大きいでしょう。
慣らし保育の期間中はママも復帰前で時間に余裕があり、子どもも短時間で降園することから保育士たちもそれぞれの家庭といつも以上に丁寧にやりとりできる余裕があります。
ママが仕事復帰したり、保育園の子どもたちがフルタイムで過ごすようになるとどうしても保護者も保育士もバタバタしてしまい必要最低限のやりとりしかできなくなってしまいます。
なので子どもの様子の申し送りや子育ての悩みの相談、保育園生活をスタートさせていく中で新しく生まれた
不安や疑問点などもこのタイミングで時間のあるときにじっくり話して解決しておいた方が後々トラブルや大きな悩みにならず良いでしょう。
・園の方針や保育士の技術を間近で知ることができる
慣らし保育中はママやパパも保育室に長時間入って子どもと一緒に過ごすことができる貴重な時間となります。
普段は連絡ノートや口頭でのやりとりからしか知ることのできない保育園での子どもの様子や保育士の子どもとのかかわり方、遊び方を実際に目の前で見ることができ、
良いところは家庭でも真似して取り入れてみることも可能です。
また園の方針に沿った保育内容や特色のある保育がある場合にはその内容も実際に目で見て理解することができます。
保育園での園生活は関係者のみの比較的クローズな環境下で行われているということもあり、実際に園生活の中に足を踏み入れて子どもや保育士と
一緒に体験してみないと分からないことも多くあります。
慣らし保育はこのような保育園の内部に足を踏み入れられる良い機会ですのでぜひ積極的に保育園での子どもの様子や保育士の雰囲気を見てみてくださいね。
まとめ
慣らし保育は子どものためだけのものというイメージを持ちがちですが、意外と親にとってのメリットも多いものなのです。
普段見えない保育園での子どもの様子や保育士たちの子どもへのかかわり方を近くで見て、時間にゆとりをもって質問や会話を十分にできる機会こそ、
慣らし保育期間ならではといえます。
慣らし保育の必要性や魅力をよく理解した上で、保育士と連携しながら子どもに無理なく進めていけるように計画を立てていってみてくださいね。