保育園で子供がいじめを受けた時、親の対応の仕方や実際起きたケース
保育園と言う集団生活をしていくと段々と言葉も分かるようになりきつい言葉や、傷ついてしまう言葉を覚えてくることもありますよね。
言葉だけではなく、態度も何だかきつくなったように感じたり「お友達に〇〇されるから保育園に行きたくない」と訴える事もあると思います。
そんな時に親が不安になるのは保育園でいじめがあるのではないかと言う事ではないでしょうか。
今回は、私が保育士をしていた時の体験談と一緒に保育園でいじめはあるのか親の対応の仕方や、体験談をご紹介していきたいと思います。
保育園でいじめはあるの?
いじめと言うと、一人の子を集団で無視したり嫌な言葉を言ったり、暴力をふるったりと言う事が浮かびますよね。
年齢が上がるにつれて、合う子と合わない子が出てきてしまうのは事実です。保育園では「みんな仲良く過ごしましょう」と保育士が言っても、
子どもの個性があり中々仲良くできない事も見られます。
でも、「いじめ」と言ういじめはほとんどありません。
その理由が、保育園は、保育士が見れる人数で保育をしているからです。
保育士の人数と言うのは、国の法律で決まっています。
認可外保育園などは、保育士が足りていない場合もありますが補助の先生も入っていますので一人一人に対応できる人数になっているんです。
一人一人に対応できると言う事は、クラスの異変に気が付きやすいのです。まだ就学前の子どもは本当に正直です。
好きな物は好き。嫌いな物は嫌い。ハッキリしています。クラスの異変もすぐに気が付きますし何より、子どもの様子から早めにいつもと様子が違う事に気が付けます。
小学校、中学校、高校などのいじめと違うのは保育士が見えない所でいじめが出来ないという点だと思います。
保育園の中は、保育士もしっかりいますし子どもだけで行動する事が、ほとんどありません。
いじめをする場合、先生が見ていない所で行う事が多いですよね。
保育園では、子どもを見ていなかったと言う事はあってはならない事なのです。その為、保育士がいない場所でいじめをする事が出来ません。
よく「先生も見てみぬふりをしていた」と言う話も聞きますが保育園と言う場所は、ただ保護者の方の仕事の間にお子さんをお預かりしているだけではないのです。
お預かりしている間に、お子さんに様々な事を教えています。
その中に「人が嫌がる事はしてはいけないよ」「人が傷つく事はしてはいけないよ」と言う事も教えています。
話が分かる年齢からではなく0歳クラスから、子ども達に分かりやすい様に伝えています。
そんな教えている先生が見てみぬふりをすれば正直な子どもたちは、すぐに他の先生へ伝えたり保護者の方へお話します。
保育園は保護者の方との信頼関係を大事にするのできちんと、子ども達のお手本になるようにしています。
また、保育園には様々な書類があり、個人の情報を担任がまとめる書類も作成します。
その書類は就学などに必要になる為、嘘は書けません。
そのような書類も、ありますし子ども達や保護者からの信頼が崩れる事でクラスとして成り立たなくなるため見てみぬふりはすることありません。
やっぱり、自分のクラスの子どもは凄く可愛いです。
他のクラスのお子さんも可愛いです。そんなかわいい子ども達から、信頼されないと言う事はとても辛い事ですし、担任の言葉も行動も全て信じてもらえなくなります。
そんな事を避けるためにも、保育士は、一人一人と丁寧に向き合っていき、変化があった場合はすぐに解決できるように動いています。
子どもがいじめられてると言ったら
どんなに保育士側の意見を言っても、子ども達の世界もあり子ども達の感じ方も一人一人違います。
「絵本見てはダメ!」
と言う一言でも、平気な子は平気ですし傷つく子はとても傷ついてしまい泣いてしまう事もあります。
その前後のやり取りが大事になってきますがまだ保育園の年齢の子どもだと、
その一言が深く心に残り「意地悪な事を言われた」と言う風にとらえる場合もあるのです。
きつい言い方の子どもには、担任もどんな風に言ったらお友達が傷つかないかを説明しますが簡単には直りません。行動も同じです。
繰り返し伝える事で、少しずつお友達の事を考える事が出来るようになってきますがすぐには直る事が出来ないので、日々の積み重ねで「いじめられる」と言うお子さんもいます。
子どもがいじめられていると言ってきたら、不安な気持ちや心配になる気持ちが大きくなりますがまずはしっかり話を聞きましょう。
子どもがいじめられている?まずは担任に相談しましょう
先程書いたように、子どもから「いじめられている」と聞けば親だったら心配になるのは当たり前の事です。
子どもが「いじめられている」と言ったらまずは否定的な言葉は言わず、話を聞いてあげましょう。
保育園の子どもでも「いじめられている」と親に伝える事はとても勇気がいる行動です。
話してくれたことを受け止めて、「そんな事言われたら悲しいよね」「そんな風に叩かれたら痛いよね」などお子さんの話を反復しながら気持ちに寄り添う事が一番です。
そして、いじめている子の保護者へ経緯を伝えたい気持ちも出てきますがまずは保育園や担任に話をしてください。
いきなり相手の保護者へ話をしてしまうと相手の子どもが嘘をつく可能性もありますし相手の保護者だって、
自分の子どもがいじめているなんて信じられない気持ちでいっぱいになるので話し合いがうまくできなくなる恐れがあります。
まずは、普段の様子を見ている担任に話をしてどのような経緯だったのかを確認する事が大事です。
実際に保育園で起きたケース
私が5歳児クラスを受け持っていた時にAちゃんとB君が遊んでいました。
でも、B君は自分の気持ちを言葉にする事が中々出来なく、嫌な事があると、すぐに叩いてしまう事が何度もありました。
その都度、B君に分かりやすく話をしてAちゃんにもB君がどんな気持ちだったか、Aちゃんも叩かれて痛かったし、悲しかったよねと言う気持ちを受け止めていました。
中々言葉に出来ないB君でしたが、Aちゃんの事が凄く大好きでよくAちゃんのもとへ行って遊ぶ姿が見られました。
AちゃんもB君と楽しく遊ぶ姿は見られるのですがB君と中々お話が上手くできない事がストレスになっている姿があったので保育士が間に入り、
B君の気持ちを代弁したりしていましたがAちゃんは「B君からお話が聞きたいの」と泣いてしまう事も。
B君が中々うまくお話が出来ないと言う事は理解していても仲良く遊ぶからこそ、B君といっぱいお話がしたいというAちゃんの気持ちも伝わりました。
そんなAちゃんも言葉でのコミュニケーションが取れない事からおもちゃを投げたり、作ったものを壊したりする姿がありました。
Aちゃんだけでなく、他のお友達へもB君の気持ちが伝えられるようにB君のママとお話をして、「気持ちカード」を作りました。
気持ちカードには、ニコニコマークや、泣いているマーク怒っているマークなど、様々な種類を作り、叩きたくなる前に気持ちカードを、お友達に見せて、コミュニケーションをとっていました。
クラスでもお話をして、B君の気持ちカードは、お話と同じだよ。
中々自分の気持ちをお話しできないと悲しいし、みんなにも分かってほしいからカードで自分の気持ちを少しでも、教えているんだよと言う事をお話ししました。
クラスでも、B君の気持ちカードを理解してくれて「B君の今の気持ち教えて?」と声をかける姿が見られるようになってきました。
それでもAちゃんは、カードではなく、B君と直接話をしたくて「カードじゃダメ!」とカードを見る事を嫌がりました。
B君は何度も、カードを見てもらえず、「お話して!」と言うAちゃんへ気持ちが伝わらない事で、叩く姿が見られました。
叩く前にも保育士が入り、二人とお話をするのですがどちらかが近づくと、叩いてしまうと言う事もありました。
そんな事が続いた日、Aちゃんのママから「B君に毎日叩かれて、お話もしてくれなくていじめられてると聞いたのですが」とお話がありました。
Aちゃんのママには担任からB君とのやり取りの話をしていたのですがAちゃんのママは「毎日叩かれているのは、いじめでは?」と。
その様に思う気持ちは親ならば当たり前だと思います。自分の子が毎日叩かれて、泣きながら話して来たら心配になりますよね。
その日、担任とAちゃんママの話し合いの場を設けました。
・B君が中々気持ちが伝えられない事
・気持ちカードを取り入れた事
・でもAちゃんはB君とお話がしたくて、気持ちカードを見ない事
・気持ちカードを見てもらえず「お話して」と言われてB君が叩いたこと
何度かお話をしてきましたが、詳しく今までの状況をお話ししました。
担任からの話を聞いてAちゃんママも「最初は毎日叩かれてると泣いて話してきたしいじめられていると聞いて、
パパと話をしてB君のお家の方とお話をしたかったんですがそのような経緯があったんですか…
Aも叩かれた事は悲しかったですし、痛かったでしょう。
でも、自分の気持ちを分かってもらえなかったB君にも辛い思いをさせてしまっていたんですね。」と、園での二人の様子を理解していただきました。
その後、B君のお家の方にも連絡をして時間を頂き、Aちゃんとのやり取りをお話ししました。
B君のお家の方は「叩いてしまう事は本当に申し訳ないのでAちゃんに直接謝らせてほしい」と言う要望があったので、
園長と相談をし担任・Aちゃん家族・B君家族と話し合いの場を設けました。
Aちゃんの悲しかった気持ちと仲良くしたいからお話がしたかった気持ちB君のカードを見てほしかった気持ちと叩いた時の気持ちを伝えお互い謝って、
その後Aちゃんも気持ちカードを少しずつ受け入れて、B君の気持ちを理解しようとする姿が見られました。
もし、保育士や園が仲介に入らなかったらもしかしたら、B君のお家が一方的に悪くなってしまうかもしれなかった事案です。
子ども達は、された事や、言われたことが強く印象に残っているので前後の事がハッキリしない場合もあります。
子どもの事はしっかりと受け止めながら冷静になって、保育士に前後のやりとりや保育士の関りを聞く事も凄く大事な事なんです。
保護者の対応の仕方で
・話を聞き受け止める
・保育士、園に話を聞く
事で、どのような経緯でトラブルになったかが分かるのですぐに相手の親の所へ行く事は、ストップしましょう。
子どもが保育園へ行きたくないと言う時は?
どんなに保育士や園、相手のお家の方とお話をしても傷ついたお子さんはすぐに切り替える事が出来ない場合もあります。
話し合いの場で謝っても、自分の中で消化しきれず納得できない事もあります。
「保育園へ行きたくない」と言う言葉が出る事もあります。
そんな時は
「もう仲直りしたでしょ!」
「先生にも話をしたでしょ?」
と保育園へ無理に連れて行こうとしないでお子さんの話をゆっくり聞くために一日だけと約束をしてお休みをするのもいいと思います。
お仕事の都合上休みが取りにくいかもしれませんがお子さんが一番納得できるのは、お家の方に気持ちを話して理解してもらい、受け入れてもらう事です。
そして一緒に、何が悪かったのか、どうすればいいのかなどを話す事で子どもも先の見通しがついて、安心して保育園へ行く事が出来ます。
もし、お友達を怖がっているようならば
「先生も、パパもママも○○の味方だよ。怖い事があったらすぐに言っていいんだよ。パパとママは必ず○○の事守るからね。でも、お友達も、お話して、もうしないって言ったし、仲良く遊びた
いんだって。怖かったら、先生にお願いして、一緒に遊んでもいいんだよ。我慢はしないでね。パパとママはお話聞くからね。」
と繰り返し伝えてあげてください。
お家の方も、先生もちゃんと見ているし、お話を聞くよと繰り返し伝える事で、少しずつ安心していく事が出来ます。
お家の方も、ずっと落ち込んでいる我が子を見るのは辛いですがお子さんの気持ちに寄り添って、1日でもいいので保育園を休んで、傍にいてあげてください。
ただ、長く休むことで、保育園自体が嫌いになってしまう事がありますので休ませるときは〇日と決めて休ませましょう。
お家の方が側にいてくれることが、何よりも心強いんですよ。
子どもだけの話を聞かず、周りの話も聞いてみて
自分の子どもの話は、しっかりと聞かないといけない反面全て子どもの話を信じると、話が大きくなってしまう事もあります。
「いじめ」と言う言葉を聞くと不安になる気持ちがいっぱいになりますが園や担任の話もよく聞いて、普段の生活の様子をきちんと知る事も大事です。
保育園では保育士が一人一人対応できるので詳しく話を聞く事が出来るので、不安を感じたら迷わず保育士に相談してくださいね。
お子さんと、お家の方が安心して保育園生活が送れるように時間を作ってみてください。
引き続き、「ほいくはっく」で、保育園の情報を紹介します。