保育園の先生が怖いという子供への対処法や親としてできること
保育園に通い始めると、子供は担任の先生という新しい存在との出会いがあります。
子供にとっては新しい環境で、親とは違う存在の大人と出会い、新しい生活が始まるというように何もかもが新しいことばかりです。
中には保育園の先生が怖い、だから保育園に行くのに気が進まないということもあるでしょう。
もしそうなった時に、親として出来ることや子供にどう対処すれば良いのかについて私の保育士としての経験も踏まえて紹介していきたいと思います。
保育園の先生が怖くなってしまう原因〜乳児の場合〜
子供が保育園の先生を怖がってしまう理由は様々ですが、乳児と幼児では主な要因が異なります。
乳児の場合には保育園の先生を怖がる理由として大半を占めるのは「人見知り」です。
保育園に入るまでは家庭で両親と常に一緒に共に過ごし、たくさん甘えて愛されることで愛着関係を築きますのでお子さんはもちろん父親と母親が最も信頼できる
自分にとって絶対必要な存在であるという認識を持って育ちます。
しかし保育園に入ると日中のほとんどの時間を両親と分離して過ごす上に、そこで一緒に過ごすのは保育士という子供が全く知らない大人です。
誰だか分からない、信頼関係も築かれていない大人に対して子供は本能的に「この人は親とは違う人だ」と判別して警戒し、親を求めて泣いたり、その大人から距離をとって抱っこを嫌がったりする姿が見られます。これが人見知りです。
こうなると子供の中で「保育士=知らない人=怖い」という構図が出来上がってしまい、担任の先生とはいえ保育園の先生が怖い、と思ってしまうようになるのです。
一度人見知りが始まってしまうと、母親以外は父親も祖父母も怖がってしまう例もありますので、保育園でももちろん抱っこを嫌がったり、
ミルクや給食が食べ進まなくなってしまったり、保育園の先生の顔を見ただけでも怖がって泣いてしまうということがあり得ます。
保育園の先生が怖くなってしまう原因〜幼児の場合〜
幼児クラスの子供が保育園の先生が怖い、となってしまう原因は「保育園でのネガティブな経験」によるものが多いです。
ネガティブな経験というのは、「良くないことをして保育士に怒られた」とか
「苦手な活動や嫌いな食べ物を克服するようやや強めに注意された」とか園生活の中での保育士とのやり取りの中での苦い経験のことを指します。
確かに怒られてしまったり、出来ないことを責められてしまうと大人でも萎縮したり、気持ちが暗くなってしまいますよね。
子供はこの気持ちの調節や切り替えが大人以上にうまくできないので、どうしても自分を注意した保育園の先生は怖いな、いやだな、という感覚が残ってしまうのです。
乳児とは違って頭でしっかり保育園の先生であると認識できる上に言葉でのやりとりも増えてくるからこそ、日々の保育士とのやりとりの中で気持ちの行き違いがあったり、
些細なことで注意されてしまったりする経験が増えることで、「また注意されてしまった」「また何か言われるかもしれない」と怖がるようになってきます。
またそのような経験や嫌な思いをしたことがあれば、子供自身が家庭でその内容や経緯を両親に話すことも増えますので、保護者としても原因が分かりやすくなります。
怖がる子供のことを保育園には伝えた方が良い?
他の子どもは先生と仲良しなのに、自分の子供は保育園の先生のことを怖がっているという事実は保育園にそのまま伝えても良いのかどうか不安もありますよね。
「担任の先生を傷つけてしまうのでは?」「保護者として保育園ともうまくやっていきたいから言いづらい」というような親御さんの気持ちもとても分かります。
しかし結論から言ってしまえば保育士は子供の年齢的な発達およびクラスの子一人ひとりの性格は熟知していますし、関わっていく上で人間的な相性があることも理解しています。
保育士として担任を持っていればその中の何人かに怖がられることにも避けられることにも毎回あることなので、そういう事態には慣れているのです。
ですから保護者の方も気遣いをしすぎず、子供の様子をありのまま担任保育士に伝えてみてください。
さすがに子供が怖がっている張本人に面と向かってその事実は伝えづらい…という場合には園長に話してみたり同じクラスの他の先生に相談してみたりするのもオススメです。
保育士としては子供の様子が家庭と著しく異なる場合にはその要因をいち早く知ることで子供の様子によって朝の受け入れの保育士を変えてみたり、
日中の声かけや生活の援助の仕方をアレンジしてみたりしてその子が保育園で少しでも快適に過ごせるように配慮することが可能になるのです。
家庭と連携して、子供の理解を深めながら過ごしていくためにも怖い先生や苦手な先生という存在があり、それがネックで保育園に行きたがらなかったり、
親と離れるのを過度に嫌がったりするお子さんの姿があれば、それをありのまま伝えても全くもって大丈夫です。
怖がってしまった子供のために親としてできる対処法は?
せっかく通っている保育園、お子さんに安心して笑顔で通園してもらうためにも先生を怖がる子供に親としてできることは何かないかと悩むこともあると思います。
このような場合に保護者の方ができることは、まず親が保育園の先生と仲良くすることです。
子供は自分と愛着関係にある両親など身近な大人が仲良くしている相手にはそこまで警戒心を抱かないものですし、
逆に両親が嫌っている相手や警戒している相手に対しては同じように敵対心や警戒心をもち、近寄りません。
もしかしたら本能的に両親が相手を信頼して気を許しているような雰囲気を感じ取って子供自身も安心しているのかもしれませんし、
信頼する両親の表情をよく見ている証拠だといえます。
以上の点からも、両親が毎日担任保育士と仲良く世間話をする様子や何でも相談できる関係になっている雰囲気を子供は敏感に察知するのです。
単純なことなので「本当にそれだけでいいの?」と疑問に思うかもしれませんが、
私の経験上からも効果は絶大なのでぜひ大げさにでも担任保育士と仲良くしている姿を子供に見せてほしいです。
また、子供の人見知りやネガティブな経験の記憶に関しては子供自身の成長や時間が解決してくれるところも大きいのが事実ですので、
「一度怖がってしまったから」「前回は怖がって駄目だったから」と保護者の方から距離をとるのではなく、
長い目で見て諦めずに担任保育士とお子さんが少しずつでもコミュニケーションを取れるように
「今日も〇〇先生に会えて良かったね」「先生いつも優しいねー」というようなプラスの声かけをして子供と一緒に先生と向き合ってみてくださいね。
それでもなかなか解決しない場合には他にも原因があるかもしれませんので、
子供の何気ない発言や普段と異なる姿を見逃さないように家庭でもよく遊び、かかわってあげるようにしてみてくださいね。
子供が保育園の先生を怖がる理由を見つけて、安心できるよう工夫をしてみて
保育士としても子供を怖がらせてしまうのは不本意です。
1日でも早く仲良くなって子供の笑顔が見たいですし、保育園にいる間だけでも子供が1番に頼れて安心できる存在でありたいと思っています。
ですから保護者の方も気負わずに、子供が怖がっていることはありのままの姿として保育士に伝えて、相談しながら解決のために協力してもらえたらと思います。
子供が最も信頼して正しい存在だと思っているのは両親ですので、声かけやふるまいを見て安心したり、怖がったりと気持ちも連動していきます。
ぜひその点を理解した上で、お子さんが安心できるように声かけや離れるタイミングなどを保育士と協力して工夫していってみてくださいね。