保育園の給食、おやつの一週間のメニューやアレルギー児の対応は?
保育園の給食やおやつのメニューはその内容の豊富さと品数、そして栄養バランスの良さに驚く方も多いかと思います。
給食やおやつのメニューの組み方や献立に関してはその保育園ならではの工夫や特色が最も出やすい部分でもあり、かなり力を入れています。
さらに給食は毎日子どもの口に入り、身体を作っていくものですので、保護者の方も給食のメニューや提供方法を重視する場合が多いです。
そこで今回は私の保育士としての経験談も交えながら、保育園の給食のメニューやおやつについて紹介していこうと思います。
保育園の給食やおやつの献立ってどうやって決まるの?
保育園の規模によって給食やおやつは保育園内の調理室で仕入れから調理まで全て栄養士が手作りで行っているところもあれば、
外部のお弁当業者に発注して出来立てを配達してもらっていたりおやつは既製品の子どもむけお菓子を提供していたりするところもあります。
外部の業者に発注している場合には依頼先の献立や仕入れ状況によってメニューが決定してしまいますが、私が勤務していた保育園は大規模な園でしたので、
園内に調理室も完備されており、毎日栄養士と調理師がおいしい給食を全て手作りで提供してくれていました。
もちろん献立は毎月栄養士がバランスや食べ合わせを考えて考案し、一汁三菜を基本に米、パン、麺のメニューが曜日ごとに隔週でローテーションが組まれていました。
給食やおやつの献立はただ食材の組み合わせやローテーションだけで機械的に決められているのではありません。
子どもにはその学年の年齢や発達に見合った摂取基準のカロリー量や塩分量が細かく定められているため、乳児と幼児でも味付けに使用する塩分の量が違ったり、
お皿に盛るおかずやご飯のグラム数も異なったりします。
それらを食の専門家として計算し、常に適切な給食を提供する大切な役割を果たしているのが栄養士なのです。
栄養士の仕事は献立を決めて、調理、提供して終わりではなく、各クラスを回って実際に自分の目で子どもたちの食べる様子やその日のメニューの評判などを確認し、
保育士とも連携をとりながら常に質の高い給食とおやつの提供を目指し日々努力しているのです。
また季節の行事や遠足などがあればそれに見合ったメニューの考案も必要になるので、
保育士と共に職員会議を開いて子どもの様子や発達に合った献立を園全体で協力しながら作り上げるようにしています。
給食の1週間のメニューについて
1週間のメニューに関しては、同じ食材が連続して出ないように、また和洋中と様々な味付けで子どもたちが食事を楽しめるように工夫して決めていました。
私が働いている園での1週間のメニューの例です。
1週間の給食メニュー
月曜日:カレイのカレー風味焼き トマトサラダ チンゲン菜とちくわのお浸し キャベツの味噌汁
火曜日:チキンカレー コールスローサラダ モロヘイヤと玉ねぎのスープ
水曜日:鮭のムニエル ひじきの煮物 オクラ納豆 豆腐とわかめの味噌汁
木曜日:鶏の照り焼き ナスのみそ炒め オクラの醤油和え しめじと油揚げの味噌汁
金曜日:カジキの和風ステーキ かぼちゃの煮物 キャベツの青のり和え 大根の味噌汁
土曜日:チキンライス フレンチサラダ 玉ねぎとコーンのスープ
主食に関しては何曜日がお米の日、何曜日はパンの日、何曜日は麺の日、というように曜日ごとに決められていて、主食に見合った汁物がスープもしくはお味噌汁で添えられています。
おかずに関しても主菜は肉と魚が1日おきに交互に食べられるように配慮されていて味付けも子どもが飽きないように、
そして素材の風味を大切にして子どもが様々な食材に触れられるように工夫を凝らした献立を園専属の栄養士が配慮して考えてくれているので
保護者の方からもとても評判が良く、子どもの食べ進みも良かったです。
保育士は毎日給食のメニューを紹介したり、食材や作り方を説明したりして子どもたちに食育も行っていくように努めており、
クラスによっては実際に給食調理に使用されるとうもろこしの皮むきを手伝ったり、人参やかぼちゃの型抜きをしたりして食に親しむ機会を作るようにしています。
メニューはその月のおたよりに献立表として添付され保護者の方も分かるようになっているので、大抵は1.3週目と2.4週目で同じメニューが提供されるようになっています。
その理由としては様々な料理に触れることも大切ではあるけれど、子どもにとっても
「前回食べられなかったけれど、今回は食べられたな」「この前食べたあのメニュー美味しかったな」
と同じものを定期的に食べることで得られる成長や喜びもあることがあげられます。
また保育士目線で見ていても子どもたちの味覚や嗜好がとらえやすくなるというメリットもあります。
食に関しては家庭と保育園とで連携が必要不可欠な部分でもあります。
保育園によっては入園前に給食の試食会なども保護者向けに開催されているので、気になるようであれば参加してみることをオススメします。
おやつの1週間のメニューについて
保育園以外では教育機関でおやつの提供というものがあまりないので、
保護者の方はおやつの献立と聞いても馴染みもなく何が提供されているのかピンと来ない方も多いのではないかと思います。
保育園で提供されるおやつも子どもの1日の摂取カロリー目安の中に入っているので、基本的には給食とのバランスをみて考案されています。
私の保育園での1週間のおやつのメニューの例です。
1週間のおやつメニュー
月曜日:シュガートースト 果物 牛乳
火曜日:リンゴゼリー クラッカー 牛乳
水曜日:コーンフレーク(牛乳付き) 果物
木曜日:人参チヂミ 果物 牛乳
金曜日:ゆでとうもろこし クラッカー 牛乳
土曜日:ジャムサンド 果物 牛乳
メニューとして主にあげられるのは果物、ゼリー、コーンフレーク、ミニサンドイッチなど健康的かつ手作りのものが多いですが、
時にはおせんべいやクッキーなども出ますし、行事の時にはケーキも提供されます。
おやつの時には一緒にコップ一杯の牛乳も提供され、カルシウムもしっかりと取れるように配慮しています。
私が勤めていた保育園ではおやつは基本的には給食とは違い補助的な食事ですので、
好き嫌いや空腹度合いによってはあまり口を付けない子もいますが、そこは臨機応変に対応するようにしていました。
逆に子どもから評判のよかったおやつに関しては保護者の方がレシピを知りたいと後日言ってくれる時もあるので、
人気の手作りおやつは家庭でも再現できるようにおたよりにレシピを掲載するなどして家庭とも連携して楽しく食育を進めていました。
保育園によってもおやつの捉え方や提供の仕方など本当に多様ですので、給食同様、
どういったものを普段子どもが口にしているのかはしっかり把握しておいたほうが良いでしょう。
アレルギー児や病児の献立はどうなるの?
保護者の方は「子どもがアレルギーを持っていて食べられない食材がある」「いつもは良く食べるけれど、風邪っぽいせいか食欲がない」
というような保育園における食事に対する不安や日々の子どもの体調の変化による対応について気になることなどが色々とありますよね。
保育園では基本的に個々の体質や体調に関しては保護者の方と密にやりとりをしていき、食事に関しても徹底的に管理して臨機応変に対応していくようにしています。
特にアレルギーを持っている子どもの場合には誤った食事の提供は命にかかわりますので、アレルギーレベルや対象の食物などの情報をしっかりと聞き取り、
調理器具も調理過程も分けた完全な除去食を調理し、食器やトレーなどの色も変えて視覚的にも間違いのないように分かりやすく提供しています。
アレルギーレベルが高い場合には他の子が食べている食事の飛沫や粉末が空気中に舞っただけでも症状が出てしまうことがあるので、
机を分けたり、席を離したりして安全に食べられるように徹底しています。
また熱があったり、病み上がりなどの万全でない体調の子どもの場合にも食欲がなかったり、お腹が弱くなっていたりすることがあるため、牛乳を控えたり、
ご飯をおじや風に食べやすく煮込んでもらったりすることで少しでも栄養を摂れるように日々保育士と栄養士が連携しながらベストな食事を提供するように心がけています。
このように保育園全体でベースとなる献立はあるものの、子どもによって臨機応変に対応できるように配慮すべき項目がある家庭にはまた別の献立を作成して渡したり、
当日に急に変更した場合には電話連絡かお迎えの際に口頭で丁寧に伝えたりして誤解のないように対応するようにしているところが多いです。
給食、おやつの献立には保育園ごとに工夫がある!
給食やおやつはある程度ローテーションで献立が決められてはいるものの、毎日のカロリーや塩分量などは緻密に計算されており、
子どもの育ちに合わせた食事が毎日おいしく食べられるように工夫されています。
病児やアレルギー児の対応にも力を入れて、子どもたちがみんなで楽しく食事ができる環境を保育園としても作っています。
給食の試食会や保育参観してくれた方向けの給食の提供もありますので、保育園でどのように子どもが食べているのかを知るために参加してみることも良いでしょう。
家庭での食事の進め方や子どもの食べ方に関しても疑問や悩みがあれば保育士はもちろん、栄養士にも相談できるので、気兼ねなく頼ってみてくださいね。