保育園に預けるのにミルク飲まないけど大丈夫?園や家庭での対応は?

保育園に預けるのにミルク飲まないけど大丈夫?園や家庭での対応は?

子どもを保育園に預けることが決まると、気になるのはミルクの問題かと思います。

 

 

「家では飲んでいないのに保育園で飲めるものなの?」

 

 

「万が一ミルクを嫌がったら保育園にいる間は何も食べられないのでは?」

 

 

というような不安や要望もあるかもしれません。

 

 

保育園に預けるのにミルクが飲めない場合、保育園や家庭での対応はどうすべきなのか、

 

 

私が実際に勤務していた保育園での経験談も交えながら紹介していきたいと思います。

 

子どもがミルクを飲まない原因とは

 

子どもがミルクを飲まない、もしくは嫌がる理由として主に考えられる点は以下の3つです。

 

 

生まれた時から母乳しか飲んでいない

 

この理由が保育園でミルクを飲まない原因のほとんどを占めています。

 

 

完全母乳で育てていると、保育園に行くからというタイミングで突然ミルクに移行するということは難しいです。

 

 

母乳と加工された粉ミルクとでは成分も味も全く異なります。今まで慣れ親しんでいた味とは違うものに急に変わると赤ちゃんもびっくりしてしまいますよね。

 

 

このような背景からミルクを嫌がり、飲まなくなってしまうのです。

 

 

哺乳瓶の感触に慣れていない

 

完全母乳の場合には哺乳瓶に触れる機会もありませんし、

 

 

仮に哺乳瓶を使っていたとしても家庭のものと保育園のもののメーカーや仕様、乳首のサイズなどが異なる可能性もあります。

 

 

このような要因で授乳の際に子どもが哺乳瓶を口に含んだ時の感触などに違和感を覚えると、

 

 

ミルクをうまく飲むことができずに、そのまま飲まなくなってしまいます。

 

 

環境の変化に不安を覚えている

 

当たり前ですが、子どもはママと一対一のコミュニケーションの時間としての授乳に慣れています。

 

 

それと同時に授乳時のママのぬくもりや視線にも安心感を得ており、空腹を満たすだけでなくそういった環境も含めておっぱいの時間だと認識しているのです。

 

 

そのため保育園では保育士に人見知りをしたり、周囲の環境が変わったりというような要因が重なり、

 

 

不安が大きくなることから食欲はあってもミルクを飲まなくなってしまうのです。

 

 

体調が悪い、乳糖不耐症を持っている

 

幼い子どもの体調は日によってめまぐるしく変化します。お腹の調子が良くない日や風邪気味で熱っぽい日も頻繁にあります。

 

 

大人でも体調がよくない時には食が進まなかったり、いつもは食べられるものにも魅力を感じなかったりするように、赤ちゃんでもその感覚は同じです。

 

 

また子どもの中には乳糖不耐症という粉ミルクに含まれる乳糖という成分に対する耐性を持っていない体質の子もいます。

 

 

そういう子の場合には自然と体が察知してミルクを拒否するようになることもあります。

 

 

保育園に預けるのに飲まなくても大丈夫なの?

 

子どもが丸っきりミルクを飲まないと、

 

 

「保育園に預けることが決まっているのにうちの子はミルクを飲まない…どうすればいいの?」

 

 

「このまま預けても大丈夫なの?」というような不安をもつママもいるでしょう。

 

 

保育士として保育園側の思いを結論から言うと、

 

 

「もう入園することは決まっているので飲んでも飲まなくてもその子を受け入れる心の準備はできている」というのが本音です。

 

 

もちろんお子さんが保育園で哺乳瓶を使って保育園で使用しているミルクをごくごく飲んでくれることがベストではあります。

 

 

しかしだからといって「ミルクが飲めないなら預かれません」というような対応をすることも絶対にありませんし、

 

 

経験豊富な保育士が様々な工夫を凝らしてミルクを飲めるように時間をかけて対応していっています。

 

 

ですのでミルクを飲まないことが原因で保育園に預けることを悩んだり、不安に思ったりする必要は全くありませんから、安心して預けていただいて大丈夫です。

 

 

もしそれでも心配であるならば、入園説明会や見学会の際に園長や保育士に相談してみると良いでしょう。

ミルクを飲まない子に対する保育園での対応はどうなるの?

 

ミルクを飲まない子に対して私が勤務していた保育園で工夫していたことを4つ挙げて説明していきます。

 

 

ミルクを哺乳瓶ではなくスプーンを使って少しずつあげる

 

哺乳瓶が原因でミルクを飲まない子に対しては調乳したミルクをコップに移して、離乳食用のスプーンで少しずつすくって口に運ぶようにしていました。

 

 

時間はかかりますが、スプーンで口に入れてあげると子どもも味を確認して、ミルクであると分かると積極的に口を開けて飲んでくれるようになります。

 

 

ミルク自体は飲めるようになってきたら、スプーンと哺乳瓶を併用して授乳するようにして、

 

 

慣れてきたら哺乳瓶のみで飲めるようにと段階的に進めていくように工夫していました。

 

 

クラスを出て静かな部屋でミルクをあげる

 

家では静かで落ち着いた空間でミルクを飲んでいても、保育園となるとそうはいかないのが現状です。

 

 

そばで泣き叫んでいる他の赤ちゃんがいたり、保育士たちがバタバタと動き回っていたりと物音が絶えず聞こえていますし、大人の数も子どもの数も多いです。

 

 

このような環境に慣れずに他の物音や人の存在が気になるために落ち着かなくなってしまいミルクを飲めない子に対しては、

 

 

担任保育士が一対一でついて別室に移動して家庭に近い静かな部屋でミルクをあげるようにしていました。

 

 

愛着関係ができるまではあまりじっくり授乳中に子どもを見つめないようにする

 

子どもが本来はミルクを飲めるのに、担任保育士に人見知りをしているが故にミルクを飲まない場合には子どもとの距離感を大切にしていくように配慮します。

 

 

もちろん本当ならば子どもを見つめて、しっかり抱っこする中でコミュニケーションの一環としての授乳すべきこと、

 

 

それが望ましいことは十分に承知していますが、入園当初でひどく人見知りをしている子どもに対してはこの限りではなく、

 

 

ミルクを飲むことを最優先して対応するようにしていました。

 

 

毎日根気強く続けることで子どもも少しずつ保育士との間に愛着関係や信頼関係を築いてくれますので、

 

 

それを気長に待ちながら無理なく少しずつ距離を縮めていくよう工夫しています。

 

 

哺乳瓶の乳首や粉ミルクのメーカーを変えて試してみる

 

哺乳瓶の種類や口の形に合う乳首のサイズは子どもによって様々です。

 

 

粉ミルクに関してもメーカーによって多少味が異なるので子どもによっては

 

 

家庭で飲んでいるもの以外のメーカーのものですとミルクの飲みが良くないということもあるのです。

 

 

そこで保育園にあるものを活用しつつも、どうしても既存のものでは飲み進まない子がいる場合には

 

 

新たに別のものを購入したり、ミルクの種類をいくつか用意して飲めるかどうかを試してみるようにしています。

 

 

以上のように保育園では子どもが健康に過ごせるためには努力を惜しみません。

 

 

特に乳児の場合には保育園でミルクを飲まないということは食事を摂らないということになり、

 

 

栄養面や健康面に大きな影響を与えてしまいかねないので慎重かつ丁寧に対応することが一般的です。

 

 

しかしどこまで対応が可能かというところは保育園の考え方や規則によって違いますので、

 

 

心配であれば早めに相談し、子どもに対する対応を確認することをオススメします。

 

 

ミルクを飲まない子に対して家庭でできることはあるの?

 

子どもが保育園でミルクを飲まない日々が続いているとなると、ママとしても子どもの健康面や精神状態が気がかりですよね。

 

 

ママの中には「自分の子どものせいで先生方に迷惑をかけているのでは?」とネガティブに考えてしまう方もいるかもしれません。

 

 

ここではもし子どもがミルクを飲まなかった時、家庭でできることは何があるのかを3つ挙げて説明していきます。

 

 

家庭での授乳時に母乳のみでなく、ミルクも併用していく

 

完全母乳で育てたいという気持ちが強いママもいるかとは思います。

 

しかし保育園に預ける以上はママと離れる時間ができるわけなので子どもが保育園ではミルクを

 

 

飲んで生活するということを想定し、事前にミルクに慣れるためにも準備をしておいてくれると保育園側としても非常に助かります。

 

 

例えば日中はミルクで夜間は母乳にするなど子どもの様子に合わせて時間帯で母乳とミルクを使い分けてしていくとスムーズです。

 

 

子どもに合う哺乳瓶や乳首を見つけておく

 

子どもはミルクの味と同じくらい哺乳瓶の質感や乳首の口触りなどにミルクの飲み進みを左右されるものです。

 

 

保育園入園前にミルクの飲みがあまり良くないことが分かったら、ひとまず家庭で使用している

 

 

哺乳瓶の種類や子どもが吸いやすい乳首のサイズを保育園側にも伝えてください。

 

 

場合によっては家庭で使用しているものを保育園に持ってきてくださいとお願いされることもあるかもしれませんが、

 

 

子どもがミルクを飲むための最善策となりますので協力してもらえたらと思います。

 

 

保育園と相談および連携し、搾乳したものを提供できるように準備しておく

 

試行錯誤する中で保育園で用意したミルクを飲んでくれれば一安心なのですが、

 

 

中にはどうしてもミルクを飲まないままいつまでも子どもに辛い思いをさせてしまう場合もあります。

 

 

そのような場合には園でのミルクをどうにかしてあげるという対処法だけでは限界があるので、

 

 

ママの母乳を搾乳したものを冷凍して保育園に一定数預けてもらうようにお願いすることもあります。

 

 

実際に私が勤務していた園では2日に1回ほど搾乳した母乳を登園時にママからお預かりして、

 

 

調乳室の冷凍庫に入れて保管し授乳のタイミングで解凍して子どもにあげていました。

 

 

そうすると保育園でのミルクはあれだけ拒否していた子どもが冷凍母乳はとてもよく飲み、安心感と満腹感を得てよく眠る姿が見られました。

 

 

ですので万が一の場合には搾乳をお願いすることも保育園生活の中では十分にあり得るということを理解し、

 

 

子どものためにも協力および対応ができるように準備しておくことが望ましいです。

 

 

保育園にはミルクを飲まなくても預けられる!

 

保育園ではミルクを飲まない子、飲みが進まない子は毎年一定数いるので、それが原因で保育園に預けられないということはありません。

 

 

担任保育士は子どもの家庭での様子やママの悩みなどを丁寧に聞き取り、

 

 

無理のない範囲で少しずつでもミルクが飲めるように対応していきますので、

 

 

何かあれば些細なことでも担任保育士と密にやりとりをして一緒に子育てをしているような感覚で連携するように心がけてください。

 

 

家庭での対応策やミルクをあげるときのアドバイスなども聞けると思いますので、ママ一人で悩まずに気軽に相談してみてくださいね。 

 

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