0歳児の慣らし保育の期間や平均は?1日の流れや慣れない子への対処法
子どもが0歳児での保育園入園が決まると、慣らし保育が始まりますが、親子ともに初めての保育園であれば不安も大きいかと思います。
ママの中には「慣らし保育ってよく聞くけどいまいち流れがわからない」「いつまで慣らし保育期間になるの?」という方もいるでしょう。
そこで今回は0歳児の慣らし保育の期間などについて、私が保育士として勤務した経験談も交えながら紹介していきたいと思います。
慣らし保育ってなに?
保育園における慣らし保育とは、4月に子どもが入園してからしばらくの間は子どもが園生活に少しずつ慣れていけるように預かる時間を短くして対応する保育のことを指します。
子どもの様子や体調、そしてママやパパの仕事の都合もありますので、基本的には入園説明会の時に個別に相談して進め方を決めていくような形になり、
0歳児クラスの保護者の方には4月中はなるべく慣らし保育への協力をお願いしています。
小さな子どもにとっては大好きな家庭やママと離れて保育園で新しく出会う大人や友だちに囲まれながら生活することは大きな環境の変化になります。
新入園児の中には緊張や不安、疲れなどから入園早々に体調を崩してしまったり、人見知りからミルクを全く飲まなかったり、熟睡できなかったりする子もたくさんいます。
子どもが体調を崩して保育園を休むことになってしまってはなかなか保育園にも慣れられませんし、保護者の方の仕事にも影響を及ぼします。
ですので「やっと保育園に預けられることになったのに、慣らし保育で早くお迎えに行かないといけないなんて困る」
「うちの子は身体も強いし、人見知りもしないから慣らし保育無しでも大丈夫なはず」と思う保護者の方の気持ちも分かりますが、
子どものためにも担任保育士と連携しながら慣らし保育の大切さを理解した上で進めていってほしいと思います。
慣らし保育の流れ
ここでは保育園の慣らし保育の基本的な流れについて経験談も交えながら説明していきます。
・9時を目安に登園
慣らし保育中は契約している保育時間は早朝からだとしても、9時頃の登園となります。
登園時間を9時前後に定めている理由としてはママがまだ仕事復帰をしていないからという点と、
登園初日は子どもの支度やロッカーの使い方、園舎への入り方など保護者としての動きも保育士が説明しながら進めていく必要があり、
対応に時間がかかるために職員が揃う時間帯に来てほしいからという点があげられます。
「子どもと一緒だから時間に余裕を持って行こう」と定められた時間より早めに来られる方もいますが、結局ほかの保護者の対応をしていたり、
職員の手が足りていなかったりするとせっかく早くきてくれたのに結局その場で9時過ぎまで職員が揃わずに待たせてしまった…という苦い経験をしたことも実際にあります。
ですので子どもをぐずらせないためにも、保育園から提示された時間を守って登園してもらえると慣らし保育期間中は何かとスムーズです。
・はじめは午前中の数時間のみ過ごす
慣らし保育はまず9時にお子さんをお預かりして、保育園で遊んだり、必要であればミルクを飲んだり睡眠をとったりして、
12時〜13時の間にはお迎えをお願いすることが多いです。
子どもの保育園での過ごし方は、この数時間だけでも様々です。
ママと離れた寂しさやいつもとは違う環境への戸惑いで泣き続けてしまう子もいれば、
真新しいおもちゃや絵本に惹かれて意外とすんなり遊び始める子もいますし、
1人では遊べないけれど保育士が抱っこなどでそばにいれば安心して遊べる子もいます。
慣らし保育中は子どもだけでなく保護者の方も子どもと離れて心配かと思いますので、
保育士は子ども一人ひとりの遊び方や過ごし方、気持ちの変化などをよく見て、お迎えに来た保護者の方にその様子を丁寧に伝えていくようにしていました。
・慣れてきたら徐々に保育時間を伸ばしてフルタイムに備える
入園当初はずっと泣いていたり、保育園で楽しく過ごす姿が見られなかったりで保護者の方も不安でしょうが、
子どもなりに毎日少しずつ保育園で見せる姿には変化と成長が見られ、
保育園という環境にも次第に慣れてくるものです。
保護者の方とは密に情報共有をしながら、入園初日から1週間は午前中だけ、2週目は給食やおやつも含めて夕方まで、
3週目は各家庭が契約している保育時間通りのお預かり…と言うように
なるべく子どもに負担をかけないように少しずつ保育園で過ごす時間を伸ばしていきます。
最終的に各家庭が契約している保育時間通りに子どもを預けられる段階まで来たところで、慣らし保育は終了となります。
慣らし保育の期間や平均は?
慣らし保育の期間や進度は一律で決められているわけではなく各家庭の状況や子どもの様子、
さらにママの仕事復帰のスケジュールに合わせて保育士が個別に最適なスケジュールを組み、保護者の方に提案して進めていくようにしています。
慣らし保育にかかる平均期間としては1〜2週間であり、長くても入園してから1ヶ月を目安に慣らし保育を終了している保育園が多いです。
しかし中にはママの仕事復帰が入園と同時であり、祖父母などの協力も得られない中で
やむを得ず慣らし保育無しでいきなりフルタイムでの保育になる家庭もあれば、
逆にママの仕事復帰は5月中で時間にゆとりがあり、子どもの慣らし保育もゆっくり進めたいということで5月中も短時間の保育になる家庭も実際に勤務先で見てきました。
慣らし保育の進め方は子どもの性格や発達によっても、家庭の事情によっても様々です。
すぐに新しい環境に慣れ、色々なものに興味を持って積極的に動く子もいれば、人見知りや警戒心が強くて環境の変化が苦手な子もいて当然ですよね。
当初は2週間で慣らしを終了する予定だったとしても、子どもがあまりにも慣れておらず辛い思いをしているようなら、
保育園側から慣らし保育の延長をお願いすることももちろんありますし、
「この子は慣れるまでに時間がかかりそうだなぁ…」
と思っていた子が案外スムーズに保育園に順応して予定の半分の期間で慣らし保育が終了するということもあります。
ですのでほかの家庭や子どもと比べたり、慣らし保育の平均期間や進度通りにうまくいかずに焦ったりすることなく、
子どものペースを大切にして保育園と連携しながら慣らし保育を進めていく姿勢でいることが望ましいです。
子どもがなかなかな慣れない時の対処法
慣らし保育期間中は「仕事復帰の日が迫ってきているのに、子どもが全然保育園に慣れてくれない…どうしよう」
「預ける時も、お迎えの時も泣いていて、先生方に迷惑をかけているのではないかと心配…」というママたちの意見もよく耳にします。
ここでは子どもがなかなか保育園に馴染まない時の対処法を3つ紹介します。
・登園時は支度を終えたらすばやく別れる
別れ際に子どもに泣かれてしまうと、親としては後ろ髪を引かれる思いですし、別れを惜しんでどうしても離れがたくなってしまいますよね。
しかし離れるまでの時間が長引けば長引くほど、子どもも親と離れたことを保育園生活中もずっと引きずってしまい、
気持ちを切り替えるのに時間がかかってしまうのです。
ママとパパもここは心を鬼にして、寂しさや心配をグッとこらえて子どもが泣いてしまっていてもサクッと姿を消すことが大切なのです。
子どもは意外と親の姿が見えなければ思い出すこともなく遊びに集中できるものですので、協力してもらえると子どもも保育園に慣れやすくなります。
・ママやパパも保育園内ではリラックスして過ごす
慣れない保育園生活の中では子どもだけでなく保護者の方も少なからず緊張や不安を抱いていますよね。
子どもは親の精神的な変化や表情の強ばりをとてもよく見ており、強く影響を受けるものですので、
ママやパパが保育園生活に不安を抱いていたり、毎日緊張状態で登園したりすると子どもも保育園に対しての信頼や安心感が得づらくなってしまいます。
子どもはママやパパがリラックスして過ごしている場所や信頼して話している相手に対しては警戒心を解きやすくなりますので、
まずはママとパパが率先して担任保育士や子どもと園内でたくさんコミュニケーションをとり、信頼関係を築いていくようにしてみてくださいね。
・子どもの成長を信じる
朝、ママと別れる時は泣いてしまっていても子ども自身は少し時間が経つと保育園ではケロッとして機嫌よく遊んでいたり、
食事もよく食べてよく眠っていたりすることも大いにあります。
これは子どもなりに寂しさを乗り越えて、新しい環境に適応しようと頑張っている最中の姿ですが、
残念ながら保護者の方はその様子をリアルタイムで見ることは出来ないですし、
お迎えに行った時にも「朝と同様私のことを見て泣いている」子どもを見れば
「もしかして1日中、こんな調子で泣いていたのでは?」と案じてしまうのも仕方のないことでしょう。
しかし実際にはお迎えの時に子どもが泣いてしまうのはママに会えた安心感や、
保育園で過ごす中で思い出さずにいた恋しさからのもので、それまでは笑顔で過ごしている子が圧倒的に多いです。
保育園側もなるべく保護者の方に安心してもらおうと日中の様子を写真に撮ったり、具体的なエピソードを口頭で丁寧に伝えたりするように配慮しています。
ですから保護者の方も過度に心配しすぎず、おおらかな気持ちで子どもの成長を長い目で見守ってほしいと思います。
0歳児の慣らし保育は平均1〜2週間!子どもの様子に合わせて無理なく進めて
0歳児の保育園における慣らし保育の平均期間は2週間であり、長い場合でも1ヶ月間程度を目安に進めていく保育園がほとんどです。
ただ子どもの状態や家庭の事情も様々ですので、あまり段取りや目安にはとらわれ過ぎずに、
その家庭ごとに合ったペースで慣れていけたら良いなぁと保育士としては感じますので、
保護者の方も気さくに相談や世間話を担任保育士にできる関係を築きつつ、連携して子育てをする意識を持ってもらえたらと思います。
慣らし保育期間中は、環境の変化や不慣れなことが重なる上に仕事復帰のタイミングや他の子と
比較してしまうことで焦りや不安を感じてしまいがちですが、自分の子どもの力を信じて見守ってあげてくださいね。