保育士と子育てを両立して大変だったこと〜リアル体験談〜
保育をしていて、自分の子供がいると仕事の経験を活かして子育てが出来て「保育士で良かったな」
と思う反面保育士だからこそ子育てに悩む事って多くあると思います。
私も、息子を育てながら保育士をしていました。
0歳〜6歳とちょうど保育園児の時期に保育士の仕事をしていたので子育てとの両立で大変な事がたくさんありました。
今回は保育士と子育ての両立の大変だったことなどを私の体験談と一緒にご紹介していきたいと思います。
仕事面での両立の大変さ
保育士の仕事をしていて仕事面で子育てとの両立の大変さを実感しました。
一番は【シフト】です。保育士は朝早くから出勤する事も多いですよね。
私は今まで働いてきた保育園で一番早いシフトで6時30分まで出勤しないといけない園もありました。
多くの保育園は早番の保育士は、朝早くに出勤したら園の開園準備や掃除などがあるので受け入れが、
保育士が出勤したらすぐ受け入れ可能と言う事は少ないのではないかなと思います。
息子を預ける保育園も早くて7時からだったので早番のシフトに入る事が出来ずにシフト調節も大変でした。
早番だけではないです。遅番も入る事が出来ませんでした。遅番だと、私の働いていた園は全て19時までだったのですが
もちろん19時にすぐ帰れるわけもなくお迎えが遅くなる子の保護者を待つことも多く園児が帰ってからも
掃除や園の見回り戸締り、朝の準備などがあり遅番も入る事が出来ませんでした。
早番と遅番が入れないと言うだけでかなりシフトを組む事も大変でしたし多くの園で「早番勤務可能」「遅番勤務可能」な保育士を募集していたので転職する時は大変でした。
保育士の免許もあり短大を卒業してからはすぐに保育士として働いていたので息子が産まれてからの担任を持つ事も大変でした。
担任を持つ事で大変だったのが「子どもの病気」。
これは、お子さんがいて働いている方なら経験したことがあると思いますが担任をしていて息子の園から
「息子君が熱があるのでお迎えお願い致します」と電話が来ると心配な気持ちもあるけれど何とも言えない気持ちになりますよね。
本当に息子には申し訳ないのですが…
同じ保育士をしていて私も何度も保護者の方に同じようなお迎えお願いしますの電話をかけてきましたが、
いざ自分がその立場になると中々抜けるタイミングが難しい場合があるんですよね。
お昼寝の時間や、休憩時間などだったら他の保育士へ引継ぎもスムーズに出来るのですが日中の保育時間中や昼食の時間などだと本当に大変でした。
特に具合が悪くなりやすい時期だと息子もですがクラスの子どもも具合が悪い子がいるんですよね。
その場合、保護者の方に「いつから・どのように」具合が悪くなったのか「具合が悪くなってからの経過」なども
説明をしないといけないので保護者の方がお迎えに来る前に帰る事も出来ないし、でも息子も可哀想だから早く迎えに行きたいし…と複雑でした。
結果としては、やはり保育園も信用第一なので、自分のクラスのお子さんを優先していました。
また、担任だからこそ【お家の方に直接話をしないといけない事】ってありますよね。
その日の出来事だけでなくトラブルだったり微熱があった事だったり気になる様子など担任が話をしないといけない事って多いですよね。
自分の勤務時間内にお話をしたい保護者の方がお迎えに来てくれれば大変な事もないのですが時間外だと、
待っていないといけないし時間内でもギリギリだと話しが長くなった時がお迎えも遅くなるし預け先の保育園にも「何時に迎えに行く」と言う連絡が出来なくて困りました。
自分も保育士をしているからこそ「お迎えが遅くなる、でも何時かわからない。閉園時間を過ぎるかもわからない」と言う連絡は
保育士さんを困らせてるって分かるからこそ心苦しかったですね。
私は、短大を卒業して結婚するまで勤めていた保育園に息子を預ける事が出来たので知っている保育士さんが多かったのでなおさら申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
育児での両立の大変さ
家に帰れば、息子の前では私も一人の母親です。
資格は持っていて現場経験があっても母親としては初心者。両立する事で困る事はいっぱいでした。
一番大変だったのは【自分が保育士だから】と言う事です。仕事では出来る事が、家では出来ない事も多いんですよね。
例えば息子が何か悪いことをした時。
仕事ではどんなに忙しくても子どもと向き合ってその子が納得するまで分かりやすい言葉でお話をする事が出来るのですが家だと忙しいと
「もー!ダメだって言ってるでしょ!」とダメの一言で終わって「叱る」ではなく「怒る」になってしまうんです。
息子を怒った後は「何で仕事では出来て、息子には出来ないんだろう…」と悩む事もありましたし出来ない自分に、泣いてしまう事もありました。
もちろん、保育士の自分の時のように息子に分かりやすい言葉で息子が納得するまでお話をする事もありましたがどうしても、
保育士で担任を持っていると「出来ない」事の方が印象に残ってしまうんですよね。
先程、シフトの話を書きましたが両立をしていると残業が多い仕事の分息子のお迎えから帰ってからのお風呂や寝る時間までの準備が凄くバタバタしていました。
特に息子は寝る時間が20時を過ぎる日が続くとすぐに体調を崩すので就寝時間は20時と言う物凄くプレッシャーになる時間制限付きだったので
残業した日は本当に1秒も無駄に出来ないと言う状況でした。
今は息子は小学3年生で私も自宅で仕事をしているので話しをゆっくり聞けますが当時を思い返すと
「もっとゆっくり話を聞いてあげたかったな」と思います。
話しが出来るようになったのも2歳とちょっぴり遅めだったので息子の口から、園の様子をゆっくり聞く時間を確保するのも大変でした。
息子とゆっくり話が出来る時間がある時の息子が「お話いっぱい出来るの?」と言うキラキラした目や楽しそうに、
一生懸命園の話をしてくれる姿に、毎日できたら…と何度も思いました。
残業だけではなく保育士は持ち帰りの仕事も多くあります。
特に担任だと、書類が多いですよね。私も持ち帰りの仕事が多く息子が寝た後に家の事をして、仕事をして…でした。
年度末や年度初めの書類の量は本当にきつい物がありますよね。
園によっては手書きの所もありますが私はパソコン入力でもOKの職場だったのでまだ、効率よく仕事が出来ましたがそれでも、書類の多さには苦労しました。
息子は一度寝たら、中々起きない子だったのですがたまにする夜泣きの時は息子をあやしながら「あー書類が…」と思ってしまっていました。
きっと、息子も私の気持ちが分かっていたのかな?そんな時ほど夜泣きが酷く中々書類が進まなく私も泣きそうになりました。
両立の大変さでも仕事をつづけた理由
これは何度も【息子の為に辞めた方がいいのかな】と思う事がありました。
でも、保育士と言う仕事が私は大好きでクラスの子どもが「〜ちぇんちぇー」と名前を呼んで駆けつけてきてくれたり保護者の方から
「〜先生が担任の先生で安心です」と言われると【辞めたい】と言う気持ちも無くなっていくんですよね。
そのくらい保育士と言う仕事はやりがいのある仕事だと思っています。
入園した時は大泣きだった子がなついてくれるようになったり保護者から信用されると言う事は保育士としてとても嬉しい事ですよね。
日中の保育時間でも出来なかった子の成長を見れたり楽しく遊ぶ姿を見てると【辞めたい】と言う気持ちを持っている事に罪悪感もありました。
それでも、一人息子の事を考えると保育士はきついのではないか息子が手がかからなくなってから復帰すればいいのではないかと言う考えが何度も頭をよぎりました。
そんな私の考えを吹き飛ばしてくれたのは息子でした。お迎えが遅くなった時に「ごめんね。ママ遅くなっちゃって。寂しかったよね」
と息子が年中さんの時に話をしたら
「ううん。〜先生が言ってたよ!ママは先生で凄く頑張ってるんだよってママが僕の為に一生懸命お仕事してるんだよってでも、
ママは僕の事一番大好きなんだよって僕、ママが先生してるママが凄く大好き」と言う言葉を聞いて思わず泣いてしまいました。
知っている先生が多い園に預けていた事もあり先生方が息子に私の事を言ってくれている事も本当に感謝してもしきれませんでした。
息子の言葉を聞いてどんなに大変でも、息子の事を考えながら保育士を続けようと気持ちを引き締めました。
預け先の保育園も、凄く理解をしてくれて「〜先生、本当に保育士として成長してるよ。今は辞める時期じゃない。
息子君のサポートはちゃんとしてあげるから、頑張りな。〜先生はこの園で学んだことをしっかり活かして保育士として成長しなさい」と、主任の先生から言われました。
私の環境が凄く恵まれているんだなと本当に感じました。勤務先の園長からも「私にも子供がいて、仕事との両立に何度挫折しかけたか数えきれない。
子どもには寂しい思いをさせてきた。でも、子どもが大きくなった時に必ず〜先生の頑張りを子供は理解する時が来るだから、
息子君に恥ずかしくないようにしっかり担任として今まで通り保護者との信頼関係を作って子ども達を見て下さい。
息子君の具合が悪くなった時は私たちも、保護者の方にお願いする立場。
気持ちは十分わかるから、サポートするから抱え込まない事ですよ」と言っていただけて私は本当に色々な人から支えられていると感じ保育士と言う仕事を続けてきました。
大変だったけど良かったこと
保育士と育児の両立で大変な事は本当にたくさんありました。でも、良かった事もあるんですよ。
保育士をしている分、息子が0歳〜6歳までの保育園児の期間息子の気持ちに寄り添う事の大切さを仕事を通して分かった事もあります。
そして何より、保護者の方のお子さんを大事に思う気持ちにも気が付きより一層保護者の方の気持ちに寄り添って話をする事が出来ました。
決して全ての保護者の気持ちではないですが中にはお子さんがいる先生がいいと言う保護者の方もいます。
そんな時に、私を担任にしてほしいと言う嬉しい言葉を頂きましたし「〜先生は同じ母親としても話を聞いてくれるから本当に話しやすいです」
と言う言葉を貰えたことは、大変だっだ中でも凄く嬉しい言葉でした。
そして、息子の「先生してるママも大好き」と言う言葉が一番嬉しかったですね。
一度、どうしても閉園時間にお迎えが間に合わず職場の園にお願いをして、一度抜け出して息子を迎えに行き、職場の園で息子を見ていました。
その仕事をしている姿を見て出た言葉だったのだと思います。
両立は大変な事も多いし子どもがいなかったら出来る事も子どもがいる事で制限される事も数多くあります。
仕事の持ち帰りも、時間を気にする事は出来ないし家では息子が中心になっているのでスケジュール通りに行かない事も何度もあります。
気持ちが折れてしまう事もあります。でも、子どもの姿、保護者からの言葉園長の言葉、預け先の先生の言葉そして息子の言葉でやる気が出て、仕事も家事も両立する事が出来ました。
少し発想を変えて、次の日の夕飯は下準備は前の日の夜にしておき帰ってからは焼いたり、
煮たりするだけにして時短になるようにしたりパパにお願いをして、洗い物をしてもらったりする事で、時間にも余裕が少し出て気持ちにも余裕が出ました。
資格を取って、自分の好きな仕事が出来ると言うのは本当に嬉しく、やりがいもあります。
そんな仕事を一生懸命したい気持ちから協力してもらえる人には協力してもらい保育士の仕事も息子の育児も何とか出来たんだと思います。
また、育児の事ですが、息子は重度の卵アレルギーを持っています。
私は以前、重度の卵アレルギーのお子さんの担任・担当でしたので息子の卵アレルギーにも冷静に対処する事も出来ました。
息子が熱性けいれんも何度かありましたが講習会を受けていたので冷静に、息子の状況をメモをして時間を計り病院へ症状を伝えたりこれは…
と思ったらすぐに救急車を呼ぶ事もできました。
経験していたからこそ、息子への処置も早くする事が出来たんだと保育士をしていて良かったと思いました。
周りの人に相談してみて
両立の大変さは、一部しか書きませんでしたが色々な壁にぶつかってしまいます。
そんな時は、一人で抱え込まずに相談できる人に相談をしてみましょう。園のお子さんがいる保育士でもいいですし預け先の保育士に相談する事もいいと思います。
両立は一人で抱え込まず、たくさんの意見を貰って改善策や、出来る事を見つけて保育士を続けながら、育児と両立できるようにしていきましょうね。