保育園、途中入園の時期や準備について保育士がお答えします
仕事や家庭の都合でお子さんが保育園に途中入園することも共働き家庭では十分に考えられます。
しかしいざ途中入園となると「何を用意すればいいの?」「時期的に途中入園しても大丈夫なの?」といった疑問や不安がありますよね。
親子共に楽しく保育園生活を送るためにも途中入園に関しては色々と情報が必要です。
今回は私が保育園に勤務していた時のエピソードも交えながら、保育園の途中入園についての入園の時期や準備、そしてメリットデメリットについて紹介していきたいと思います。
保育園に途中入園してくる子どもってどのくらいいるの?
保育園に途中入園する流れになる背景として主にあげられるのは、両親の仕事もしくは家庭の都合による転居で今まで通っていた保育園に通えなくなり、
転居先の地域の保育園に転園した場合と、今まで空きがなく保育園に入れなかったいわゆる待機児童扱いの家庭が希望エリアの園に空きが出たために年度の途中から保育園に通えるようになった場合の2点です。
基本的にはどの家庭もいつでも途中入園が可能というわけではなく、やむを得ない事情があったり、
保育園や役所側の事情で入園を待ってもらっていた家庭に対して途中入園できるように配慮したりしていることが多いです。
保護者の方も様々な家庭事情があり、職種も多様ですので途中入園や退園をする子どもは私の勤めていた保育園では1クラスに1.2組必ずいました。
途中入園してくる年齢も1〜5歳と幅広く、待機児童の増加が社会現象となっていることも重なってかクラスで受け入れ可能な子どもの人数に1人でも
空きが出るとすぐに次に途中入園してくる家庭が決まり、翌月には入園してくるような形で対応したことも多かったです。
途中入園の可否や入園先に関しては希望エリアの保育園を管轄している役所が決めることなので保育園に決定権はありませんが、
保育園側としては空きがあれば途中入園のお子さんも前向きに受け入れてサポートしていく体制は整えていますので、安心してくださいね。
保育園に途中入園する時期って決まっているの?
保育園に途中入園する時期というものは公式には決められていません。なぜなら家庭によって仕事や事情が変わることはいつでもあり得ることだからです。
しかし時期は決まってはいなくても希望するエリアの保育園の空き状況や転園の時期によってはスムーズに途中入園することが叶わず、
エリアを妥協したり入園を待ったりすることが求められることがありますので、転居や入園を考えたらなるべく早く役所に連絡することをオススメします。
そして保育園だけではなく教育機関全般に言える話ですが、クラスで過ごす1年間は基本的には4月から翌年の3月までが区切りとなっています。
途中入園するにあたって定められている時期はないものの、保育士としてはお子さんがクラスになるべく早く馴染んで過ごすためには春〜夏あたりまでに入園するのが望ましいと思います。
夏以降はクラスとしても半年の月日が過ぎることで少しずつまとまりが出てきて、夏祭りや運動会といった大きな行事もある上に、
年度末に向けては総まとめとしての発表会や作品展の準備も始まっていきます。
お子さんが保育園生活を存分に楽しむためにもできることなら年度の半ばあたりまでに途中入園を決められると良いでしょう。しかし中には様々な事情での急な入園希望もあるかと思います。
そのような場合にも子どもが新しい環境で無理をしないようにはじめのうちは保育士が一対一でついて信頼関係を築き、
保護者とのやりとりをより綿密にしながら保育を進めていくなど連携しながら保育を進めていくので、
不安や心配ごとがあれば入園先の担任保育士に些細なことでも相談してみるのも良い方法と言えます。
途中入園するにあたって準備するものについて
途中入園の場合は新年度のようにクラス全体に向けての入園説明会などがないので、園での過ごし方や生活の流れ、準備するものなど保護者も分からないことが多いかと思います。
大体の保育園は途中入園する家庭に向けて個々に面談をしたり、入園前に一度親子で保育園見学に来て頂いたりする時間を作るように配慮しています。
入園する時期にもよりますが、どこの保育園でもほぼ必須な準備物としては以下のものがあげられます。
子ども用の着替え
保育園には子ども一人ひとり用のロッカーがあります。そこに日々の園生活で汚れても良い着替えを何着かストックしておくことが求められます。
汚れても良い素材や色味の洋服であることはもちろん、近年では安全面を重視しフード付きやヒモ付きの上着はNGだったり、
誤飲やケガ防止の観点からスパンコール等の装飾付きの衣類はNGだったりと用意するにあたっても細かい条件がありますので確認が必要です。
お昼寝用の布団カバーやバスタオル
布団自体は園で用意してくれることがほとんどですが、よだれや汗対策のために用いる布団カバーやタオルケット替わりに使用するバスタオルなどは
適正なサイズのものを自宅から用意するよう求められることが多いです。
園によって布団のサイズなどが違うこともあり、すぐには用意できないこともありますので事前に確認しておくとスムーズです。
子どもの母子手帳や検診記録などの書類
前の保育園での健康診断の結果や今までの既往歴やアレルギーの有無を認識しておくことはお子さんを預かる保育士としてはとても重要なことです。
提出が必要になるかと思いますのであらかじめコピーをとるなどしてまとめておくと楽でしょう。
上記の他にも季節によって準備すべきものが変わってきますし、保育園独自の準備物があるところもありますので準備に手間取りたくない場合には入園が決まったら早めに確認してみると良いと思います。
途中入園のメリット、デメリットについて
保育園に途中入園することのメリットは4月の入園や進級から数か月経ち、
クラスの子ども達や雰囲気が落ち着いてくる時期に入園できるので保育士が途中入園児に対して集中して手厚いサポートができるという点です。
子ども一人だけで新しい環境や友達の輪に入るのは不安も大きい上になかなか大変なのが事実です。
そこで保育士に園生活や友達に馴染んでいけるよう一対一で手厚く配慮してもらうことで子どもにとって
担任保育士との信頼関係が築きやすい環境で安心して過ごすことができるという点が最大の利点です。
逆にデメリットとしてあげられるのは、入園時期が遅いとクラスに馴染み切れず、思い出が共有できないままそのクラスで過ごす年度が終わってしまうという点です。
保育園生活での大きな行事は夏祭りや運動会、年度末の発表会などがあげられます。年度の前半あたりまでに入園できれば足並みを揃えて活動や行事に参加することができますが、
年度終わりにさしかかった時期に入園が決まると他の子どもの関係性や団結力が出来上がってしまった状態になっていたり、メインの行事がほぼ終わっていたりすることで
クラス内での立ち位置や友だちとの関わりが不安定なまま年度末を迎えてしまう可能性があるという点です。
さらに入園する子どもの年齢によっては急に母親と離れて保育園で過ごすことで分離不安や人見知りが出てしまうことで
体調を崩してしまったり慣れるまでにある程度の時間がかかったりする場合もあり、保護者の方にお願いして仕事の都合をつけてお迎え時間に協力してもらうこともあります。
これも簡単に仕事を休めない保護者の方にとってはデメリットになると考えられます。
途中入園してくる子どもは一定数いるので心配しなくて大丈夫
保育園にはそれぞれの家庭に多様な背景や事情があることから途中退園する子もいれば途中入園してくる子もたくさんいます。
保育園側もそのために受け入れ体制や保育士の配置などもしっかり整えていますので、ママもお子さんもそこまで緊張せずに安心して途中入園してきてほしいと思います。
ただ入園時期や年齢によっては子どもの緊張や心身の疲労が大きく不安定になってしまう可能性もあるので担任保育士とやりとりを密にしながら、
家庭過ごす時間はお子さんとたくさん関わって遊んであげてみてくださいね。