保育園に何歳から預ける?入園時期の平均や年齢別メリット、デメリット
保育園に子どもを預けるとなると、「保育園にはなるべく早くから入れたほうが良いの?」「他の家庭は何歳から預けているのだろう?」といった疑問や不安が出てくるかと思います。
確かに周りのママ友たちが早くから保育園に通わせるように計画している中で自分の家だけまだだったりするとなんだか自分と子どもだけが出遅れているような気がして焦ってしまいますよね。
今回は私の保育士としての経験から、子どもの保育園の入園時期の平均や年齢別のメリット、デメリットについて説明していきたいと思います。
保育園は何歳から預ける人が多いの?
知っている方も多いと思いますが、保育園に子どもを預けるための大前提として両親共働き家庭であるということが条件となります。
つまりほとんどのママは産休や育休を取得し、その休業期間が終わると同時に会社に復帰するために保育園に子どもを預けることになります。
育児休業は例外こそあるものの基本的には子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで取得できる制度ですので、
育休をフル活用してからの復帰を目指すとなると子どもが1歳になったら保育園に預けるという形になることが多いといえます。
しかし中には育休を取得せずに早めに会社への復帰をする方もいれば、育休が1歳になる前日までしか取れないのなら保育園に慣れてもらうためにも0歳児クラスから入園して
時短で仕事に復帰しようと考える方もいますし、仕事妊娠出産を機に一度退職して産後に新しい職場で勤務をスタートさせる方もいるので、
現実的には0歳児から子どもを保育園に預ける人が圧倒的に多いです。
保育園側としても受け入れ可能な乳児は生後3ヵ月前後となっており、現在の深刻な待機児童問題も相まって0歳から預けないと途中から保育園に入れることは
困難になり、会社へ復帰できなくなるという共働き家庭ならでは焦りや不安も高まっていることから0歳(生後3か月以降)から預ける人がかなり増えてきているといえます。
もちろん途中入園も受け入れ枠に空きがあればいつでも可能ですが、確かに0歳児クラスで定員が埋まってしまうとそのクラスの子たちが退園や転園をしないかぎり
ずっと持ち上がって進級していくので空きが一向に出ず、枠が若干数出てもそこに入る競争率は非常に高いので、希望が通らず泣く泣く入園を諦めたという例も実際にはありました。
このような背景から、保育園は0歳からお子さんを預ける人が多く、今後も増加傾向にあるといえるでしょう。
入園時期の平均っていつ頃?
保育園ではクラスごろに受け入れ可能人数が設定されているので、その人数に空きがあれば入園時期がいつでも所定の手続きを踏んで子どもを預けることが可能ですが、
両親の仕事の都合や家庭の事情による転居などのやむを得ない事情がある場合以外は、平均して2歳になるまでの間、つまり1歳児クラスからに子どもを保育園に預ける家庭が多いです。
先に述べたように0歳児クラスから預ける人が増加はしているものの、実際に保育園を利用するママの子育て観は様々です。
「子どもはなるべく早く保育園に預けてバリバリ仕事に復帰したい」ママもいれば、
「小さいうちは家庭で成長を見守りたいので育休をめいっぱい取得して1歳になるまでは子育てに集中したい」ママもいますし、
中には「生後数か月の赤ちゃんを保育園とはいえ母親ではない人に預けるなんてかわいそうだと思う」ママもいるでしょう。
このように育休を出来る限り取得したママが仕事に復帰するタイミングで子どもを預けるのが子どもが1歳になる年度であること、さらに0歳の時は家庭でゆったり子育てを楽しんだママが
「そろそろ社会性や集団生活の場に入れても良いかな?」と歩行が安定したり食事をおいしそうに食べたりする子どもの姿をみて思うようになるのが1〜2歳の間であることが入園時期の平均が1歳児前後となる理由です。
保育士目線としても2歳までの乳児クラスに入園してもらえると基本的な生活習慣も他のお友だちと足並みをそろえて身に付けていくことが可能ですし、
同じクラスの子どもたちや担任保育士との信頼関係も早い段階から築いていくことができるので、この時期の入園はおすすめです。
ママ自身も「出産後1年間はじっくり子育てに集中できた」という満足感が得られ、「ここまで子どもと一緒に過ごせたのだから、復帰後は仕事も頑張ろう!」と
納得して次のステップへと前向きな気持ちで進んでいけるのはとても良いことだと思いますので、焦って0歳児から保育園に預ける必要性や緊急性がないのであれば、
2歳になるまでの間で入園時期を考えてみるのも悪くないでしょう。
入園時期の年齢別のメリットについて
入園時期によって、その年齢ならではのたくさんのメリットがありますので、乳児クラス(0〜2歳児)と幼児クラス(3〜5歳児)に分けて紹介していきます。
乳児クラスのメリット
・早期から保育園生活をスタートさせることができるため、保育園の環境や保育士に早く馴染むことができる。
・衣服の着脱や食事、排泄など基本的な生活習慣の能力を段階的に習得することができる。
・同じクラスの友達と関係が深まり、子ども同士はもちろん相性の良いママ友となり家族ぐるみの長いお付き合いが期待できる。
・保育園の行事に最高で6年間、毎年参加することができ、親目線でも子どもの保育園での成長を実感しやすい。
幼児クラスのメリット
・すでにある程度集団として成立した状態で園生活を送っている環境に入るので、集団生活での過ごし方や社会性が身に付けられる。
・子ども同士でのやりとりや問題解決をする機会が増えるのでコミュニケーション能力や相手を思いやる力が育つ。
・異年齢交流としてクラスの垣根を越えて乳児クラスの子どもたちとも関わる機会がもて、責任感や年少者を可愛がる心が生まれる。
・園によっては体操やリトミック(音楽)、英会話の先生が曜日ごとに来てくれるので家庭ではできない経験をすることができる。
入園時期の年齢別のデメリットについて
先述したメリットがある反面、もちろん入園時期によっては年齢ごとにデメリットもあげられますので、こちらも同じように紹介していきます。
乳児クラスのデメリット
・赤ちゃんの頃から長時間保育になってしまうと人見知りや分離不安で辛い思いをさせてしまうこともあり、両親と家庭で過ごす時間も短くなってしまう。
・子どもが小さい時は特に環境の変化や集団生活で体調を崩しやすいので、仕事に都合をつけて早退や休みをとる可能性が高まる。
・子どもが初めて立つ、歩く、喋るといった一度しかない成長を一番初めに見ることができないことがある。
・かみつきや引っ掻きなど、家庭では起こることはないけれど集団生活で友達との距離が近いからこそ起こるケガが増える。
幼児クラスのデメリット
・乳児期は他の保育施設に通っていた子どもの場合は環境が変わる上に今までの園での友達と離れることになってしまう。
・入園時期によってはクラス単位で行う大きな行事やイベントが終わってしまっている、もしくは途中から練習に参加する形になってしまう。
・乳児クラスからずっと持ち上がりで過ごしてきた子どもたちのある程度出来上がった人間関係の輪の中に入ることが子どもの性格によっては困難になってしまう。
・幼児クラスから入園する家庭は多いとはいえないため、子どもはもちろん保護者としても保育士や保護者同士の新しい人間関係や保育園での過ごし方への不安など苦労が増える。
子どもへの思いを最優先にベストな時期を選んで
入園時期に関してはその保育園の空き状況や倍率の高さ、各家庭の多様な事情によってベストな時期が異なりますが、
平均的な時期はママが仕事復帰をする時期や子どもの身体機能が発達してくる時期と重なる1歳頃です。
卒園までお世話になるだろう保育園での生活を足並みを揃えてスタートさせてあげたいのであれば2歳になるまでの入園をおすすめします。
もちろんこの時期に絶対入園しないといけないということではありませんので、子どもの成長やママの子育ての価値観を優先して最良のタイミングで保育園に預けてもらうのが
子どもにとっても負担がかからず良いといえます。他と比べて焦らず自分のペースで保育園をうまく活用してみてくださいね。