保育園の役員、断るのは大丈夫?みんなどうしてる?役員エピソード
保育園に入園すると、クラスごとや園全体で新年度には必ず役員決めが行なわれます。
役員は積極的にやりたい人と、できればやりたくない人とで分かれることも多いですし
「私には役員なんてとてもできない…」と思っているママもたくさんいます。
しかし「自分だけ断りづらい」「このまま多数決や流れで選ばれちゃったらどうしよう」
といざ役員選出の際になると不安や緊張で何もいえないこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は保育園の役員になることや役員業務を仕事などを理由に断っても大丈夫なのか、
実際に保育園ママはどうしているのかについて、私が実際に勤務した保育園であった経験談なども交えながら紹介していきたいと思います。
保育園の役員、みんなどうしてる?
保育園における役員の有無や役員の役職および仕事内容に関しては
保育園、役員はどう決める?会長、会計、書記、その他、仕事内容を紹介に詳しくまとめてありますので、参考にしていただければと思います。
保育園の役員選びは基本的には新年度初回の保護者会やクラス懇談会などで行われることが多いです。
保育園にも保護者会を形成し、年度ごとに役員を置くという規則があり、在園児の保護者の方にも園に協力してもらいたいという理念がある以上、
保護者の方の中から平等に役員を選出する義務がありますので、ママ達にとっては役員決めは避けられないひとつの大きな行事のようなものであるのかもしれません。
立候補者が多く、スムーズに役員決めが終わることが最良ですが、なかなか決まらない上に残されたママ達もなんとなく
「私はやりたくない…」というような雰囲気を醸し出している中で自分だけ「私は仕事が忙しいので辞退したいです」とは言いづらいですよね。
このような状況から、立候補者以外でくじ引きやじゃんけんで仕方なく役員に決まったママも暗黙の了解という形で断ることなく
「もう決まってしまったからやるしかない」と腹をくくって1年間役員を頑張ってくれる方がほとんどです。
役員の選び方に決まりはありませんが、必ずしも役員全員が積極的に役職を引き受けてくれているわけではないというのが役員選びの現状でもあります。
どうしてもの場合は役員選出の時に断っても大丈夫?
ママの中には「本当に仕事だけでいっぱいいっぱいで家のことも満足にできていないから、役員は断りたい」とか
「公にはしていないけれど家庭の事情(介護や第二子の妊娠など)があり厳しい」という方も実際にはいらっしゃいます。
ここではそのような場合に上手く断る方法を2点紹介します。
・正直に事情を話して、その場にいる他のママや保育士たちの理解を得る
結論から言えば、どうしても役員を引き受けられない、引き受けても責任をもって仕事ができない理由がある場合にはしっかりとお断りして大丈夫です。
周囲も納得がいくような理由や背景があるのであれば隠さずありのままにその状況を話してみてください。
・断る時や理由を話す際には「自分だけ大変」という雰囲気は出さない
保育園のママ達は家庭も仕事も両立させているために忙しいのはみんな一緒ですので、「他のママよりも私は大変」というようなアピールや言い方は禁物です。
ママによってはネガティブな捉え方をしてしまい、その一言がきっかけで関係が悪くなってしまったり、その会合自体が険悪な雰囲気になってしまったりすることもあります。
ですのでどうしてもの理由がある場合には申し訳ないという気持ちと、どうしても難しいという必死さをしっかりと伝えるようにして誤解の内容に断りましょう。
また上記以外にも「特に理由はないけれど役員になると面倒だからやりたくない」
「子どもの送り迎え以外であまり保育園のママや先生たちとかかわりを密にしたくない」という考えをもっている方も少なからずいます。
そのような場合でも役員選出の話になるとすぐに断るというスタンスではなく、まずは先生や現職の役員のママ達の話をよく聞いて、
その保育園の役員の位置づけや仕事内容、集まりの頻度などをよく理解してから考えるようにすることが望ましいです。
役員になってからも業務を断ったり、会議を欠席したりして大丈夫?
選出の際に役員になったものの、「打ち合わせや会議の予定と仕事の予定がかぶってしまってどうしても出席できない日がある」
「行事前の準備の時間に仕事が抜けられず立ち会えなくなってしまった」というケースももちろんあるかと思います。
また仕事においても繁忙期があり、業務が立て込みやすい時期がある職種や職場で働いているママもおり、
仕事のピークと役員としての仕事のピークが重なってしまうと任されている役員としての業務がかなり大きな負担になってしまう可能性もあります。
そのような場合の対応法を3点あげて紹介します。
・選出時に融通が効きやすい役職にしてもらう
役員を決める段階ですでに役員会のスケジュールや行事の年間予定が公開されており、
忙しくなりそうな時期のめどがつく場合にはその時点で自分の仕事とのバランスもある程度予測できますよね。
そこで「毎回会議に出席して記録をとらなければならない書記は難しいけれど、
行事や決められた時期に集計や決算をする会計ならばできそう」というようにある程度自分の希望や意見を言っておくことで
周囲も「このママは忙しい中でも時間を作って役員として協力してくれているんだな」という印象を持ってくれるので、
何かあった時にも柔軟に対応してくれることが期待できます。
・ひとつの業務を断るかわりに、別の業務や担当を引き受ける
「今月だけは仕事が忙しくて残業も多いので会議に参加できない」
「行事の準備で他の役員ママたちが集まっているのに、私は仕事が抜けられず全て任せてしまった」
というような場合でも仕事が休めなかったり、調整が難しかったりすることは誰にでもあることです。
もし断ってしまったことを申し訳なく思い、責任を感じているのであれば、
「事前の準備に協力できなかった分、持ち帰りで家庭でできる作り物を多めに手伝う」とか
「来月は○○ちゃんのママが会議に出られないみたいだから代わりに私が書記を引き受ける」
というように役員としてできることを出来る範囲で協力する姿勢をもって対応することをオススメします。
・お互い様精神で助け合う
役員をしているママだって普通の保育園のママです。
なので仕事などの自己都合だけでなく、時には子どもの体調不良や家庭の事情で保育園を欠席することももちろんあります。
それは特に珍しいことでもなく、小さな子どもをもつママであれば誰しも経験することであるといえますよね。
そこで欠席したことを責めても何にもなりませんので、
「そういうこともあるよね!」「こっち(役員)は何とかなるから、無理しないで休んでね」と
言い合えるような関係の中で役員業務をしていけるように環境を整えていくことが、
何かあったときに役員の仕事や集まりを断りやすくするポイントでもあります。
実際の保育園での役員エピソード
ここでは実際に私が勤務した役員制度のある保育園での役員ママたちは一体どう役員を断ったり、
業務の融通を効かせたりしているのかについての経験談を紹介します。
・「下の子の保育園でやむを得ず役員に…大変だけれどママ友の協力で何とかこなせている」
このママは2人のお子さんがいるのですが、保育園は上の子と下の子で別々のところに入園が決まり、
送り迎えだけでも時間も手間もかかってとても大変そうにしている印象でした。
上の子の保育園では役員制度が全くないのに対し、下の子の保育園では保護者の参加度や熱意がとても高く、
役員や係などもほぼ強制で新米ママが担当するという流れになっており、
保育園の掛け持ちで大変だから断ろうとしていたところ半ば強制的に役員に選出されてしまったということで、
よく上の子の保育園で悩みを話していました。
「ただでさえ2つの保育園を行き来していて方針やクラスの準備物、規則なども違っていて混乱しがちなのに、
役員なんてとても無理」と当初は思っていて渋々やっていたそうですが、
偶然にも似たような境遇のママと同じ役職に就いていることが分かり、そこからそのママと仲良くなったそうです。
それから保育園の悩みや子どものこと、役員のことを話しているうちに、自然と他の役員ママともコミュニケーションを取る機会が増え、
「そういう事情があるなら大変ね」「早く帰りたい日や集まりに参加できない時は気負わずすぐに言ってね」と思いやってくれる場面も多くなり、
役員ママとの人間関係も良好になったことで役員を無理なく続けられているということでした。
「はじめはイヤイヤ参加していたから自分の話も何もせずに、ただ早く終わらせて帰りたいということだけを考えていたけれど、
自分のことを話して理解をしてもらうことで役員としても活動しやすい環境になった」
「みんな同じ保育園のママなのだから、お互いに理解を深めるためにもコミュニケーションは大切ですね」とそのママは話してくれました。
・「事前アンケートで役員を断りたい旨を書いて保育士に相談。配慮をしてくれて有難かった」
これは私が過去に勤務していた小規模保育園でのエピソードなのですが、
小規模ということもあり保護者の数も少ないので役員や役職はそこまでしっかり決めているわけではなく、
各学年から1名ずつ年に数回ある保護者会や研修会をサポートしてくれる担当の方を年度ごとに募っていました。
そこで新年度のスタートと同時に保護者会担当の役員を募集している旨を記載したおたよりと共に、
意向確認のアンケートを渡して期日までに提出してもらうようにし、
まずは保育士の間で保護者の方それぞれの意向を確認するようにしていました。
そうすると保護者の方々は正直な思いや家庭の状況を個々に記載してくれているので
「実は妊娠していて体調があまり良くない」とか
「子どものためにも何か保育園でできることがないかなと思っていたけれど役員と聞くと自信がないので話を聞いてから決めたい」
「誰もやる人がいなければやってもいい」といった率直な内容を知ることができました。
このアンケートを元に役員を引き受けてくれそうなママだけに個別に保育士からお話しをするようにし、
役員をお願いしていたので、集団の中で誰も手を挙げず変な空気になるというようなこともなく、毎年スムーズに役員決めができていました。
在園児のママからは「事前に個々に事情や意向を聞いてくれるので率直な思いを伝えやすくて良かった」
「役員決めにも先生方が仲介役として入ってくれて平和に決められるのはありがたい」という意見をいただいていました。
このように私が勤務していた園でも役員決めの方法や方針は場所によって様々でしたので、
役員に消極的なママや、あまり保護者が主体とならない保育園を希望する
ママは事前に役員の有無や役員の活動の頻度を説明会で園長に確認したり、
先輩ママ友に聞いてみたりしてなるべく面倒でないところを選ぶのも一つの方法です。
言い回しや態度には注意して誠意ある対応を心がけて
保育園の役員は断っても大丈夫です。正当な理由があればそれをしっかりと説明した方が今後の為にも良いでしょう。
無理をすると必ずどこかで歪みが出てきます。保育士側としても保護者の方に役員や保護者会として園に協力してほしい気持ちはありますが、
無理のし過ぎでママが倒れてしまっては元も子もありません。
断るときには正直な理由と、誠意ある対応を見せることが大切です。
「絶対にやりたくない」などと意地になったり、他のママを見下すような発言をしては逆効果ですので、
周囲の理解を得て無難に役員や役職を離れられるように工夫してみてくださいね。