保育園、役員はどう決める?会長、会計、書記、その他、仕事内容を紹介
保育園生活が始まると、子どもだけでなくママの生活リズムも変わってきますよね。
保育園によっては保護者の中から毎年役員を選出し、
保育園の活動や子どもの行事に積極的に協力してもらう方針を掲げているところもあり、役員になると様々な任務が任されます。
しかし「保育園にも役員ってあるの?」「内容によっては引き受けたいけれど、実際にどんなことをするの?」
と役員決めの際に分からないことが多くて不安になるママも多いでしょう。
そこで今回は保育園の役員の内容や、会長や会計、書記、クラス役員などの役職につくと
何をするのかについて保育士として勤務した園での経験談も交えながら紹介していきたいと思います。
保育園にも役員はあるの?役職の種類は?
幼稚園や小学校に子どもが通っていると、クラス役員や全体役員を決めることは当たり前のように感じますが、
「保育園は共働き家庭が子どもを預ける場所なのに、仕事以外にも保護者に負担をかける役員決めをするものなの?」
と疑問に思う保護者の方もいるかと思います。
確かにそれはその通りで、保育園によっても保護者の方に役員という責任ある仕事をお任せすべきかどうかは園長の考え方や園の方針によってかなり違ってきます。
実際に私が勤務していた3つの園では、そもそも役員という概念がなく行事等の時に一時的なお手伝いをお願いするだけにし、
保護者の方への負担をなるべく減らしている園が1園、役員ではなく「○○係」として行事ごとに
小さな作り物や当日の受付サポートなどをお願いしている園が1園となっており、本格的に役員決めをして役職を割り振っている園は最後の1園だけでした。
ですので「役員にはなりたくないなぁ…」「なるべく保護者の負担が少ない方針の園がいいな」と思うママは、
見学時や説明会の段階で役員の有無や保護者参加行事の頻度を質問しておくことをオススメします。
そして役員の割り振りがある場合の役職の種類としては、会長・会計・書記・クラス役員が主にあげられます。
園によっては保育園内のメーリングリストやHPの関係者だけがアクセスできるブログやアルバムなどに
その日の子どもや行事の様子をアップする広報担当がいるところもあるようです。
役員決めはどうやってするの?
役員決めは大抵が年度初めの保護者会や新年度説明会のタイミングで、保護者全員が一同に会する時に保育士の説明と進行のもとで実施されます。
保育園の規模やクラスの人数にもよりますが、役職に選ばれる人数としては会長が1名、副会長が1名、
そして会計や書記等の各ポジションには乳児クラスと幼児クラスから1名ずつで合計2名が基本的には選出されます。
他にもクラス役員などの設定がある場合には各クラスからも代表役員を1名ずつ選出することが多いです。
決め方としては、原則として立候補制および挙手性になりますが、どうしても決まらない場合にはくじ引きであったりじゃんけんであったりすることもあり、
学生時代の係決めとその方法は大差ありません。
スムーズに決まれば平和ですが、誰もがやりたくないと思いどの役員もなかなか決まらず時間だけが過ぎると辛い展開になってきます。
規模の小さい保育園では、役員決めがスムーズに進まず会が長引いて保育に支障が出るのを防ぐために、
事前にアンケート形式のおたよりを配布して、あらかじめ保護者の方の意向調査をしているところもあり、
その調査結果を元に保育士が特定の保護者の方に直接声をかけて係や役員をお願いするパターンも増えてきています。
各役員の役割や仕事内容ってなに?
ここでは保育園における各役職の役割や仕事内容について説明していきます。
会長
その名の通り保護者会の上長として役員会の進行役や決定事項の各役員への連絡、
保護者向けのおたよりや保育園のホームページ上でのあいさつ文や行事の際の原稿書きが主な仕事です。
保護者会だけでなく、時には園長や保育士を含めた職員会議にも同席して意見交換や近況報告をすることもあります。
会議のペースは多いところだと月1回、少ないと3〜4か月に1回の年4回ほど設定されていて、基本的には全てにおいて参加する必要があります。
園だよりなどに原稿を書くことから名前も園全体に知られていることが多いですし、
運動会や卒園式など大きな行事の時には保護者代表として挨拶をする機会もありますので、人前に出ることが圧倒的に多く、話力も求められる役職であるといえます。
会計
保育園から保護者会の予算が振り分けられている場合には、その予算内で保護者会のお茶菓子を用意したり、
親子での交流会を場所を借りて実施したりするために用途を分けて管理し、使っていきます。
他にも行事や積立金のために保護者から定期的に用意していただいている保護者会費や行事積立金などの全園児分の徴収と管理も担当します。
保育園ではいまだにこのような費用は封筒に入れて、名前を書いて手渡しというところも多いので確認漏れや徴収漏れの無いようにきちんと管理するスキルが求められます。
また出納帳の記載や年度初めと年度終わりには保護者会の中で会計報告をする場面もありますので、
予算の使い道や振り分け方、保護者会費の徴収頻度や金額についても説明できるようにしておくことが必要です。
書記
基本的には会議の議事録をとって清書し、保育園と会長に提出することで公文書記録として施設に保管しておくための文書作成を担当します。
他にもおたよりの作成だったり、行事の実施記録の作成だったりを兼任する場合もあります。
以前は記録も紙とペンでとり、それをまた紙とペンを使って清書するという時間も手間もかかる作業でしたが、最近ではICレコーダーを使って録音し、
そのデータを元にPCで資料を作成するという形式で書記をする保護者の方も増えてきましたので、
膨大なデータでもそれほど時間がかからずにまとめることができています。
クラス役員
クラス役員とは会長や副会長と連携をとって全体会議で決まったこと等を自分のクラスに持ち帰り、クラスの保護者に向けて伝達する役割を担います。
他にもクラスであがった意見や保育園に対する悩みや不安、行事に関するアイデアなどがあれば、それをまとめて役員会議で発表する、クラスのまとめ役です。
私の勤務先でも「会長や園長には直接言いづらいけれど、クラス役員の方は親身になって話を聞いてくれるし、
共感できるポイントも多くて助かる」とママ達からも身近な存在として頼られています。
行事ごとの○○係
この役職は行事やイベントごとにクラスごとにその時に余裕があったり、得意なことがあったりして行事の準備に単発で協力してくれる係のことです。
私が勤務していた保育園では役員の負担を減らし、係を増やすことで保護者の方々ができることをできるだけ協力するという方針をとっていました。
運動会や夏祭り、卒園式が園では保護者も巻き込んで実施する大規模な行事となり、その前準備として折り紙で動物や手裏剣を折ったり、
問屋からお菓子をまとめ買いしてラッピングしたり、花紙で部屋を飾るようのお花を作ったり、風船を膨らませたり、
ポスターを書いたりと…その仕事が多岐にわたりますが、どれか一つの担当でも構いませんので、家庭でできそうなこと、
自分が得意とする分野のことを積極的に担当してくれるママが多かったです。
「文化祭の前の準備みたいで楽しかった」「コツコツ作業が好きなので楽しく進められた」
「こういう形で保育園に貢献できるのは嬉しい」という言葉もたくさんいただきました。
役員は敷居が高いと感じているママは、ここから始めてみるのも良いかもしれません。
役員を担当するメリットとデメリット
ここでは保育園で役員を引き受けるメリットとデメリットを3点ずつ紹介していきます。
メリット
@ママ友の輪を広げられる
役員になると他のクラスのママとかかわる機会も増え、自分のクラスのママ友だけでなく、様々な子育て経験や仕事をされているママと仲良くなれます。
中には何度も役員をやっているベテランママもいますし、年齢の近い新米ママもいるでしょう。
任期中は役員として定期的に会い、一緒に協力しながら業務をこなし、連携をすることで信頼関係が生まれます。
そのうち役員という関係性を超えて、子育ての愚痴や悩みを何でも話せたり、家族ぐるみで休日に遊びに出かけたりすることができる関係にまで深まり、
役員を離れてからも、卒園してからも長いお付き合いが続いているという話も良く聞きます。
A園の方針や保育士たちの思いを深く知ることができる
役員は行事打ち合わせや会議で園長や担任保育士を交えてとことん話をする機会が多いこともあり、
役員でない保護者の方よりも保育園の方針や行事や保育内容にかける保育士の思いをより近いところで感じて、深く知ることができる立場にあります。
大切な子どもを預けている保育園の方針や保育士たちの熱意が感じられることは、役員である前に子どもの親としてとても貴重であり、嬉しいことだと思います。
B子どもに親として頑張っている姿を見せられる
行事の際にみんなの前で話をしたり、保育園のために先生と協力して準備や片づけを全力でしているママのことを子どもは大人の想像以上にしっかりと見ています。
子どもにとって大好きな保育園で大好きな先生とママが楽しそうに話したり作業をしたりしていることはとても良い影響のあることで、
子どもにとっても「ママってすごい!」「保育園のためにお仕事しててカッコイイ!」という認識が高まります。
保育園の内情をよく知れる立場ということもあり、子どもと保育園の話で今まで以上に盛り上がれるようにもなるでしょう。
デメリット
@拘束時間が長い
会議や打ち合わせ、行事前の準備など、時期によっては集まりも多い上に会議は数時間にわたるようなこともあり、
役員を引き受けると役員活動としての拘束時間は想像以上に長いものです。
仕事との兼ね合いもあり、心身共に疲れてしまう可能性もありますので、無理は禁物です。
Aミーティングや保護者同士の連携が大変
役員としては、役員以外の園児の保護者たちをまとめあげることも大事な仕事のひとつです。
中には提出物がいつも遅かったり、行事や意見交換に非協力的な方もいるでしょう。
そのような年齢も価値観も子育て環境も違う園児の保護者たちに連絡事項をもれなく伝え、
時には積極的な参加や協力を呼び掛けることはかなりの労力が必要となります。
「連絡の返答はしてほしいけれど、何度も催促するのは気が引ける…」
「消極的な方にあまり強引に声をかけても、その後いざこざになるかもしれない…」
と思いをめぐらせて気疲れをしてしまうママも実際にいました。
B結局のところ役員としての負担が多い
「保育士たちもサポートしてくれる」「呼びかければ他の保護者も助けてくれる」とは言われていても、
やはり物事を決める段階や準備する段階でどうしても負担が大きくなるのは役員の方々です。
役員をされているママ達だって他の方と変わらずに仕事も家事も育児もしています。
ただでさえあわただしい毎日の時間の合間を縫って役員業務をしてくれている姿は保育士からみても本当に尊敬ですし、感謝の思いもすごいです。
しかし大変なものは大変なようで、「期日を守ってくれる保護者の方が少なくて結局役員が直接お願いに回らなければならない」
「大人数でやればすぐに終わる準備も結局役員だけで遅くまで残って仕上げている」というようなことも多く、
引き受けたは良いものの想像以上に自分たちだけでやらないといけない環境があることにストレスを抱えてしまう可能性があります。
保育園の役員は保護者代表のまとめ役!
保育園の役員は役職や仕事量なども保育園の方針や規模によって様々ですが、
園児のママ達のまとめ役として子どもの前で活躍できる立場でもあるので、やりがいもメリットも実は多いです。
もちろん妊娠中で引き受けるのが体力的にきつかったり、仕事でどうしても役員業務に割ける時間が無かったりする場合には無理に引き受けなくても構いません。
しかし少しでも「保育園のことももっと知りたいしやってもいいかな」「元々企画や幹事をするのが性格的に好きだからできるかも」
というママがいれば、ぜひ積極的に役員になって保育園を盛り上げていってくださいね。
保育園、役員についての記事↓
・保育園の役員、断るのは大丈夫?みんなどうしてる?役員エピソード