保育園の七夕は何をする?流れや製作、出し物は?〜保育士の経験談〜

保育園の七夕は何をする?流れや製作、出し物は?〜保育士の経験談〜

 

七夕のシーズンになると、商業施設などでもイベントが始まって華やかになりますよね。

 

 

もちろん保育園でも七夕が近くなると保育士が子どもたちに楽しく行事のことを知ってもらうために様々な工夫をした出し物や製作を進めていきます。

 

 

今回は保育園で七夕は何をするものなのか、出し物や製作はどのようなものなのかについて保育士として勤務していた時の経験談も交えながら紹介していきたいと思います。

 

保育園では七夕に何をするの?

 

保育園では年間行事のひとつとして七夕の時期には「七夕の会」や「七夕を祝う会」と呼ばれる園内行事を実施しているところが多いです。

 

 

行事と言っても運動会や発表会のような規模のものではなく、比較的小規模で時間も短めの集まりになりますので

 

 

保護者の参加や見学などは呼びかけずに、会当日に登園している子どもたちと保育士のみで楽しむ会となっています。

 

 

七夕当日は暦の上では7月7日ですので、その日が平日であれば7日に、土日と重なってしまっているようであれば当日の前の週の金曜日などに七夕の会が設定されています。

 

 

保育園では七夕の会に向けて6月の終わりあたりから歌を練習したり、雰囲気を高めるために笹の葉をクラスやエントランスに飾って自由に短冊を書いて飾ったり、

 

 

七夕の会でクラスごとに発表する季節の製作を作り始めたりして七夕を迎えるのを楽しみに待ちます。

 

 

私が勤務していた保育園では行事食として当日はそうめんを全員で食べることになっていたのが特徴的でした。

 

 

色付きそうめんや星型に切ったキュウリやニンジン、錦糸卵などを自由に取り分けて友だち同士や担任保育士と楽しみながら「おいしいね」

 

 

と言って食べている子どもの姿がとても印象的で、星型の具材や色付きの麺を見つけるたびに喜んで教えてくれる様子は微笑ましいものでした。

 

 

七夕の会の内容とは

 

保育園で行われる七夕の会の流れや内容について、時系列で分けて紹介していきます。

 

 

開会のあいさつ

 

行事のスタート時間までにホールや集会室など、保育園で全クラスが集まることのできる広めの場所にクラスごとに集合します。

 

 

保育園には0〜5歳という幅広い年齢の子どもたちが在籍しているために集合するのに時間がかかったり、静かに待つことが難しかったりもします。

 

 

そこで行事担当でもあり、司会進行を務める保育士が全クラスが揃うまでのつなぎとしていくつか手遊びをしたり、

 

 

簡単なリズムゲームなどを取り入れて子どもたちが会の始まりまで楽しく待てるようにしていきます。

 

 

待つ間にも保育士が前に立って子どもたちの興味を引き付けながら導入をすることで、続けて七夕の会もスムーズに始められる雰囲気を作ることができます。

 

 

七夕にまつわるお話

 

会が始まると、まずは今日が七夕の会であること、七夕とは7月7日のことを指すということなどを説明します。

 

 

そして七夕の意味や由来を織姫と彦星の話をメインにしながら子どもにも分かりやすく伝えていきます。

 

 

このお話をするときに、パネルシアターや絵本、紙芝居などを活用してなるべく簡潔に子どもが飽きないように伝え方を工夫していることが多いでしょう。

 

 

保育園や行事担当保育士の考え方によってはここで笹の葉や短冊、船や吹き流しなどの行事にまつわるキーワードに関してもひとつひとつ紹介があり、

 

 

より伝統行事やその内容に子どもたちが親しめるように工夫しているところもあります。

 

 

製作発表

 

行事にまつわる保育士からのお話が終わると、ここからは子どもたちがメインになれる製作発表が始まります。

 

 

製作発表とは、行事や季節に合わせてクラスごとに作ったお絵かきや工作といった作り物を全クラスのお友だちの前でお披露目する時間のことを言います。

 

 

今回は七夕なので、夜の星空や織姫と彦星をテーマにしたものとなります。

 

 

七夕にまつわる歌を歌う

 

行事の最後にはピアノ伴奏に合わせて保育士も子どもたちも全員で歌を歌います。

 

 

七夕の会では「きらきら星」や笹の葉さらさら〜♪で始まる「たなばたさま」が定番となっています。

 

 

子どもたちは事前にクラスで練習したり、保育士が歌うのを聞いていたりするので、当日も元気に大きな声で歌う姿がみられます。

 

 

まだ歌うことができない乳児クラスの子どもたちも、リズムに合わせて身体を揺らしたり、拍手をしたりして思い思いに楽しんでいます。

 

 

終了、解散

 

歌が終了したら、司会の保育士の締めの言葉で七夕の会は終了となります。

 

 

会の時間帯によって各クラスに戻って通常の活動に入ったり、みんなで給食やおやつを一緒に食べたりとその後の構成は

 

 

保育園や担当保育士の計画によって異なります。

七夕の製作について経験談

 

七夕に向けての製作に関しては、短冊の作成と会当日の製作発表のための作り物の2つが主に挙げられます。

 

 

それぞれの製作について、実際に保育園で経験したエピソードなどを交えながら紹介していきます。

 

 

短冊の作成

 

私が勤務していた保育園は園舎も大きく子どもの人数も多かったので、

 

 

毎年大きな笹をエントランスに飾って子どもも保育士も保護者の方も自由に短冊を書いて飾れるように6月後半あたりから準備をしていました。

 

 

保育園の裏の敷地が竹林だったこともあり、毎年竹林の管理主の方がご厚意で綺麗な笹を無料で七夕用にとプレゼントしてくれていたのも環境的に恵まれていたといえますし、

 

 

子どもたちも本格的な笹を見て触れることができて喜んでいたので良かったと思っています。

 

 

子どもたちは各クラスで短冊を書いて日中に飾りつけ、幼児クラスの子どもたちは短冊以外にも笹を彩るための提灯や吹き流しといった飾りを

 

 

色とりどりの折り紙で作ってくれていました。

 

 

保護者の方や保護者と一緒に送り迎えに来る在園児の兄弟の子も送迎で時間のあるときにエントランスで自由に短冊を書いてくれ、

 

 

七夕当日までには200枚近い短冊が大きな笹に飾られていて、見ごたえもありますし、

 

 

みんなの願いごとを読んでみても楽しめる仕上がりになっていて毎日エントランスを通るのが大人も子どもも楽しみになっていました。

 

 

乳児クラスの製作発表の作り物

 

乳児クラスはまだ指先の発達が未熟なために、ハサミや本格的なお絵かきこそできませんが乳児だからこそ可愛く仕上がる手形やスタンプで画用紙に星空を描いたものや、

 

 

糊を使って星型に切ったキラキラの折り紙を黒い画用紙に張り付けて星空を作り、織姫と彦星の顔をクレヨンで書いたものをそこに張り付けて作品を作っていました。

 

 

幼児クラスのお友だちからも「かわいいね〜」と言ってもらえて嬉しそうでした。

 

 

幼児クラスの製作発表の作り物

 

幼児クラスはある程度自分でハサミやノリも使え、絵や字も上手に書ける子が出てきますし、発想も豊かになってきます。

 

 

私が見てきた中では、折り紙で織姫と彦星の着物を作って顔や髪の毛を描いて人形のように仕上げたクラスや、

 

 

絵本や紙芝居の織姫と彦星を真似して星の形に切った画用紙で冠を作ったり、

 

 

スズランテープで吹き流しを作ったりして衣装を全て手作りした織姫と彦星のなりきりセットを作っていたクラス、

 

 

ラップの芯や紙コップを使って星空を見るための望遠鏡を作ったクラスなどがありました。

 

 

それぞれのクラスの個性が出ていて完成度も高く、想像力と工夫を凝らした製作には他のクラスから歓声があがっていました。

 

 

クラスで作った製作物は行事が終わるとその日に持ち帰りとなります。

 

 

短冊も希望があれば持ち帰れますが、私の勤務先では申し出がない限りは笹と一緒に1か月保管したのちに処分していました。

 

 

七夕の出し物についての経験談

 

七夕の会の出し物に関しては準備も必要となりますので、行事担当保育士は1か月くらい前から構想を練り準備していることも珍しくありません。

 

 

ここでは私が勤務していた保育園で行なった出し物をメインにどんな出し物があるのかについて説明していきます。

 

 

「七夕のお話」のペープサート

 

七夕にまつわる絵本や紙芝居のストーリーを元にして保育士が絵本に出てくる登場人物や物をひとつひとつペープサートにして演じます。

 

 

短くても5分、長いと7分程度になってしまうので、途中で飽きてしまったり集中が切れてくる子もいますが、ストーリーとしてはボリュームもあるものなので、

 

 

しっかりと七夕についての学びを深めることが期待できます。

 

 

実際にお話の内容がしっかり理解できるようになる大きいクラスの子だと、

 

 

七夕の会でみたペープサートの内容をお迎えに来た家族に一生懸命伝える姿もたくさんみられました。

 

 

「たなばたさま」のパネルシアター

 

行事の歌でもある「たなばたさま」のメロディーや歌詞に合わせて演じる手作りのパネルシアターです。

 

 

歌の歌詞に合わせて保育士が歌いながら笹や星をかたどったパネルをシアターに張り付けていき、

 

 

最後に織姫と彦星も登場して綺麗な星空が完成して終わりです。

 

 

時間にしてもそこまで長くないので、乳児さんたちも集中して楽しむことができていましたが、幼児さんにしてみれば少し物足りないかなという印象です。

 

 

この出し物のあとにみんなでまた同じ歌を歌う流れになっているのであれば練習にもなって良いと言えます。

 

 

「七夕の由来」をモチーフにした保育士総出演の劇

 

七夕の由来や織姫と彦星の話を軸に分かりやすいストーリーを構成して、実際に衣装を身に付けた保育士たちが役になり切って子どもの前で劇をします。

 

 

子どもたちも担任の先生たちがいつもとは違う見た目や喋り口調で大きな声と身振りで劇をする様子をみて笑ったり、真剣に聞いたりとたくさんの反応を見せてくれます。

 

 

アドリブで子どもたちの名前をセリフの中に入れたり、子どもたちに織姫や彦星が質問を投げかけるシーンを作ったりして、

 

 

見ている側も巻き込んで飽きずに参加できるような劇となり、大盛況でした。

 

 

職員側の準備や練習などの労力は他の出し物よりもかなりかかりますが、子ども受けが最もよかったのはこの劇だったように思います。

 

 

まとめ

 

ほとんどの保育園では七夕の日当日、もしくはその前後に七夕を祝う会があります。

 

 

短冊づくりや歌の練習、行事食など子どもたちが楽しく伝統行事に触れ、由来などを知ることができるように事前から保育園全体で雰囲気づくりをしています。

 

 

子どもたちも製作発表でお披露目する作り物を真剣に作ったり、絵本や紙芝居をみて七夕について知ろうとしたりする姿が見られます。

 

 

ぜひ行事があった日の夜には家庭でたくさん子どもの話を聞き、持ち帰ってきた製作物を飾って余韻を楽しんでみてくださいね。

 

 

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