慣らし保育、うまくいかない人へ〜アドバイスやママ達の失敗経験談〜
子どもの保育園での慣らし保育、はじめのうちは分からないことだらけで親子ともに緊張してしまいますよね。
そんな状況の中で、慣らし保育がうまくいかないとママも不安や悩みでストレスを抱えてしまい大変かと思います。
そこで今回は慣らし保育がうまくいかない原因や保育士からのアドバイス、
また、実際にあった保育園ママの慣らし保育の失敗経験談などをまとめて紹介していきたいと思います。
慣らし保育での保護者の過ごし方ってどうすればいいの?
慣らし保育中は子どもはもちろん、親も保育園生活に慣れず戸惑いの連続ですよね。
慣らし保育の説明や流れについては別記事(リンク@0歳児の慣らし保育期間の平均はどれくらい? 長いとどれくらいかかる? 経験談)に詳しくまとめてあります。
慣らし保育が始まると子どもの毎朝の身支度や保育園で保護者がやるべき行動なども習慣になるまでは
「忘れ物をしないように気を付けないと」「あれ、登園時の流れはどうだったかな?」というように
ママとパパの出勤前の限られた時間の中で完璧にこなすことは大変だと思います。
このような点から、慣らし保育は子どもだけでなく、保護者側も園生活や登降園の流れを把握して
自身の生活パターンや朝の行動を保育園仕様に慣らしていくという意味合いも含んでいます。
保護者の方も初対面の他の家庭の親子や保育士などに囲まれて緊張の日々かもしれませんが、
ママやパパが必要以上に緊張していたり、気を張りすぎてナーバスになってしまっていては子どももなかなか落ち着けませんよね。
慣らし保育では保護者の方の時間に余裕があれば初日から最初の1週間あたりは午前中にママやパパも保育園で子どもと保育士と一緒に過ごします。
そこから徐々に子どもと離れて保育園で過ごす時間を伸ばしていくようにするのが基本的な流れです。
親同伴での慣らし保育では比較的両者の時間に余裕があり、保育士も子どもと保護者の方が一緒に園生活を送ってくれることで少し気持ちに余裕があります。
ここで子どもの保育園での姿や家での生活の仕方、眠るときの体勢やクセなど子どもがスムーズに
園で過ごす上で必要な情報を子どもを介してやりとりしていくことになるかと思います。
緊張しているのは保育士も一緒ですので、ぜひフランクに何でも話し合って互いに子どもの理解を深めていく時間にしてみてくださいね。
また同じクラスの他の親子も同じく慣らし保育に参加しているはずですので、そこでコミュニケーションを
とり子育ての情報交換や仲の良いママ友、パパ友をつくる良い機会でもありますので、
少しずつでも挨拶をして積極的に話しかけていくように心がけると親としても保育園に早く馴染むことができて良いでしょう。
慣らし保育がうまくいかないのはなぜ?原因はあるの?
保育園での慣らし保育が親子ともどもうまくいかないと何がいけないのかと悩んでしまいますよね。
慣らし保育がスムーズに進まないのにはいくつかの原因が考えられます。
うまくいかない原因については別記事、慣らし保育で子供が泣く、心が折れそうなママヘ〜乗り越える方法〜に記載がありますので参考にしてみてください。
慣らし保育が最初からうまくいく親子の方が珍しいくらいで、ほとんどの家庭は慣らし保育期間に頭を悩ませ、親子共に奮闘しているのが現状です。
環境がガラリと変わり、どうしても新しい壁や困難に直面している時には周りが見えなくなりがちです。
しかしどの家庭も悩んでいますし、「うまくいかなくて当然」という考え方をもつことで気持ちも楽になるかと思います。
慣らし保育を経て、保育園生活に子どもがどれくらいの早さで馴染んでいくのかというのに決められた段階や時間はありません。
子どもの性格や家庭環境なども大いに影響しますし、こればかりは子どものデリケートな精神面の部分によるところが大きいので、
周囲が「早く慣れて」と急かしたり焦ったりしても何の意味もありません。
大人の都合で子どもに負担をかけてしまっては逆効果ですので、注意するようしましょう。
うまくいかない時にはこうしてみて!保育士からのアドバイス
慣らし保育がうまくいかずに解決法や良い対処法も分からない…というママもいるかと思います。
ママの気持ちが辛くなってしまうと仕事や家庭、子育てにも大きな影響が出ますので、
なるべく保育士としてもサポートするようにしていますが、
それでも心が折れそうな時の乗り越え方に関しては別記事(リンクC慣らし保育で子どもが泣く 心折れそう… 乗り越える方法やアドバイス)にも
対処法をまとめてありますので併せてご覧いただけると嬉しいです。
保育士目線でのアドバイスとしては以下の3点があげられます。
・保育士と密にコミュニケーションをとってほしい
保育士とコミュニケーションをとることは、結果として家庭と保育園で連携して大切な子どもを育てていくというところに繋がってきます。
「毎日忙しく疲れているんでわずらわしい」「保育園での子どもの様子はノートを見れば分かるし、
必要事項は伝えている」というような思いをもつ保護者の方もいるかと思いますが、
子どもは大人が思っている以上に大人の様子をよく見ていますし、
大人が気にも留めていないような些細な家庭環境の変化や経験が日常生活に大きく影響を及ぼしていることもあるのです。
ぜひどんな小さなエピソードや情報でも良いので、保育士には世間話のような形でなんでもたくさん話してくれたら良いなと思っています。
もちろん保育士側からも時間がありそうなときは積極的にお話しする時間を取っていっていますので、
互いに信頼関係を築いた上でやりとりしていけるように心がけてくれると有り難いです。
・登園後は笑顔で分離してほしい
朝のバタバタしている時間帯に子どもに泣かれてしまったり、思うように支度が進まなかったりするとどうしてもママもイライラしてきてしまいますよね。
「早く子どもを預けて仕事に行かないと遅刻してしまう」という焦りで子どもを預けたらすぐに真顔で出ていったり、
「うちの子は泣いていたけど大丈夫かなぁ」と不安げな表情で別れ際を迎えると、
子どもは必ず何らかの不安を察知して情緒が不安定になります。
どんなに忙しくても子どもと離れる際にはできるだけ自然な笑顔で手を振って出かけていくようにしてくださいね。
そうすることで子どもも安心して保育園で過ごし、ママのお迎えを待つことができます。
・家では十分に甘える時間をとってあげてほしい
保育園で日中のほとんどの時間を家族と離れて過ごしている子どもは、元気に楽しく過ごしていたとしても本当は心身ともに疲れています。
その疲れを癒し、子どもが自分だけの甘えの対象として安心できるのはやはり家庭やママとパパのそばですよね。
親子共に環境が変わり、大人も疲れが溜まっているかとは思いますが、
子どもと離れていた時間の分だけ家庭ではゆったりと過ごし、存分にお子さんの甘えを受け止めてあげるようにしてください。
保育園で辛いことがあったり、疲れていたりしても、家庭でその思いをしっかり受け止めてもらえるという確証があることで、
子どもは日々の保育園生活を頑張ることができるのです。
これらの点を大切にしながら、ママもパパも親もなるべく気負わず、
子どもの成長を長い目で見守ってあげる意識をもつようにすることをオススメします。
実際にあった慣らし保育でのママの失敗経験談まとめ
ここでは実際に私が勤務した保育園で起きた慣らし保育中のママの失敗経験談を3つ紹介していきます。
・親の都合で登園時間がずれてしまい、生活リズムを狂わせてしまった
このママは「今日は仕事が午後からだから、いつもは慣らし保育でも8時登園だけど9時半に登園でいいかな」
と判断しいつも子どもと家を出る時間を過ぎても子どもと2人で比較的まったりと
自宅で過ごしていたらしく、そのせいで子どもは「今日は保育園に行かないでママとずっと一緒にいられる」
と思い込んでしまい、いざ9時半に家を出て保育園に連れていったら保育園の入口の前で
子どもが大号泣をして預けるまでにすごく手間も時間もかかってしまったという失敗談です。
子どもにとってはママとお出かけできるという認識で出かけたはずが、
保育園の前に連れてこられて、預けられそうになった事態を察知した瞬間にものすごく大きな声で泣き叫び、
身体全ての力を使ってバタバタと抱っこされるのを拒否している姿がみられ、大人も子どもも辛そうにしている中で、
なんとか保育士が子どもを預かり分離に成功しました。
しかしその後も子どもの機嫌は良くならず、たまに気が紛れておもちゃで遊ぶもののママを思い出すと泣き出し、
お昼寝中も泣いて起きてしまっていました。
ママはお迎えの際に「大人からしてみれば時間の変更は大したことではないし、
ゆっくり支度できるから良いかなと軽く考えていたけれど、子どもにとっては大きな変化と思い違いを招く行動だったのだなと分かって反省しました。」
と語っており、「これからは大人の事情で子どもを振り回すことのないように気を付けないといけないですね」
と保育士に話してくれました。
・忘れ物を届けに日中に来園したら子どもに見つかってしまった
このママは慣らし保育として子どもを預けたあとに、
ふと自宅に保育園で準備をお願いされていたものを忘れてきてしまったことに気付いて仕事の合間をみて急いで自宅に帰り、
お昼前に保育園にわざわざ届けに来てくれました。
保育園でも活動の中で子どもが使うものだったので持ってきてくれたこと有難かったのですが、
事務所ではなくクラスの方までママ自らが忘れ物を手渡しに来てしまったために、
子どもがママの存在に気づき、てっきりお迎えが来たと思って喜んでしまっていました。
しかし実際にはママは仕事に戻らなければならないので、そのまま出ていってしまい、
子どもは「ママが来たのに置いて行かれた」という認識をしてしまい泣き出してしまいました。
その後は夕方まで事あるごとに「ママ、ママ…」と寂しそうに泣いていました。
後日ママも「私がいない間、保育園でどうやって慣らし保育を子どもが過ごしているのか見たい気持ちもあり、ついクラスまで行ってしまった」
「まさかあんなに泣いてしまうとは思わなくて申し訳ないことをした」と話してくれました。
子どもがママを思う気持ち、一緒にいたいという気持ちは親が思う以上に強く、愛着関係が高まっている証拠だと分かる出来事でした。
・親の方が子離れできていなかった
このママは慣らし保育期間中、仕事復帰まで時間があったので余裕のあるときは
子どもと一緒に保育園で午前中の時間を過ごすというスタイルの慣らし保育をしていました。
しかし慣らし保育をしている中で子どもが少しでも動いたり、声を上げたりするとその都度過敏にママが反応してしまい、
子どもがやる前にすべてをママがサポートしたり援助したりしてしまっている様子が見られました。
しかしそのことにママ本人は自覚がなく、むしろ他の子どもはどんどん自分でおもちゃを取りに行ったり、
保育士とふれあい遊びを楽しんだりしている様子をみて、「自分の子だけ成長が遅いような気がする…」と悩んでおられました。
そこでママを傷つけないように言葉を選んで「お子さんが自分でやろうとしている時はすぐに
大人が手を出さずもどかしさをグッとこらえて見守ることも大切です」ということを
お伝えしたところ、「子どもがやろうとしているのに、その意欲より前に母親である私が全てやってあげてしまっていたのですね」
と気付いてくださり、その後は慣らし保育で子どもと同じ空間に
いつつも、他の子どもと触れ合ったり、少し距離を取って子どもの様子を見守ったりするようにふるまい方を変化させてくれるようになりました。
このように子どもの方が適応が早く、子どもの世界で楽しいことも辛いことも経験しながら成長していこうとしているのに。
親が先回りをし過ぎているような例もよく見られます。
そのことを面談等でお伝えすると「確かに自分の子どものことが心配ですべてをやってあげてしまい過ぎていたかもしれない」
という振り返りをしている保護者の方も多いです。
子どもと密着しすぎてあれもこれも代わりにやってあげていると、
せっかくの慣らし保育の意味が無くなってきてしまいますので、やりすぎには注意が必要です。
慣らし保育は大人も保育園や子どもと離れることに慣れる期間!
慣らし保育がうまくいかない原因は子ども側にも大人側にもみられますが、子どもの性格や家庭環境によって主な要因はそれぞれ異なります。
もし慣らし保育がうまくいかずに悩んでしまった場合には、親としてのふるまいや子どもとの距離の取り方
保育士とのコミュニケーションの密度を考えてみてください。
慣らし保育は慣れないことばかりですので、失敗してしまうことだってもちろんあります。
しかし失敗してしまったからといって子どもも保育士もママを責めるなんてことは一切ありません。
失敗から反省と学びを得て、保育士とも協力しながら一緒に慣らし保育を乗り越えるよう
工夫していくことを大切にしていってくださいね。